昨日の投稿の病院で、東京保険医協会の次のような気になるポスターを見かけました。
ジェネリック(後発医薬品)は医師に相談して|東京保険医協会
このポスターにはジェネリック(後発医薬品)に対する次のような問題点が掲載されています。
・新薬には承認申請にあたって26個のチェック項目があるが、ジェネリックは「安定性」「(生物学的)同等性」のみ。
・新薬の効能格差の許容範囲が±5%なのに対して、ジェネリックは±20%と基準が緩い
これらは一般的に知られるジェネリックの「研究開発費がかからなため、新薬と同じ効果の薬が安く作れる」とのイメージとは大きく異なる情報です。
ただしこの東京保険医協会のポスターはジェネリック医薬品協議会から撤去を求められ、また日経新聞の社説で批判されてもいますので、念のため調べてみました。
他にも同様の記事は見受けられましたが、Wikiの後発医薬品の承認申請の項目に分かりやすくまとめられていました。
確かにここにも「新薬と主成分が全く同じである後発医薬品に、新薬と同等のハードルを課すことは経済的でない」との理由で、チェック項目を少なくしている旨のことが書かれています。
また許容範囲の違いについても神田駅西口メンタルクリニックの治療方針の下段の「ジェネリック薬とは何ですか?」の項目に書かれていましたので、恐らくこちらも事実と思われます。
だと致しますとジェネリック(後発医薬品)は新薬と同じなのは有効成分だけで、その他の点は大きく異なる薬ということになります。
(以前にジェネリック医薬品の塗り薬の正規品とのあまりの違いに驚きました…に書きましたように添加物に対しても新薬と同等であることは求められていません)
それでもこの薬が認可される根拠は生物学的同等性を確かめる試験が行われているからですが、この試験が検証しているのは主成分(=有効成分)の血中濃度のみです。
これでは有効成分の効き目の目安にはなっても、例えば添加物の違いによる副作用のリスクなどは検証できないはずです。
さらにその効き目でさえ前述のように、許容範囲の審査基準において新薬と比べて4倍もの開きがあります。
以上のような実情からBLOGOS「ジェネリックは「先発品と同じ薬」ではありません」によれば、アメリカではジェネリックは新薬とは別の薬との位置づけがされているようです。
理論上は同等の効果が期待される、しかし実際はその効果にバラつきがあり、さらに十分には検証されていないがゆえに予期しない副作用のリスクも存在する、これがジェネリックの実情ではないでしょうか。
また同記事でも指摘されていますように日本がジェネリックを推進する主な目的は医療費の抑制、つまり経済的な理由です。
「経済」最優先のため安全性は最低限確保されれば十分、この考えこそがジェネリックにまつわる問題の根幹のように思えます。