先週、NHKのハートネットTVで「“ひとりぼっち”をみんなで考えようプロジェクト3」という番組が放送されていました。
番組の趣旨は“ぼっち”脱出作戦と題して、プロジェクトリーダーの長岡秀貴氏から、孤独の状態から抜け出すための様々なスキルが提供されていましたが、その中の1つに自分が置かれている状況に「〇〇ぼっち」と名前をつけるというものがありました。
悩み事に名前をつけるテクニックの効果
このテクニックは実は孤独から抜け出すことだけでなく、あらゆる精神的な悩みの解消に効果が期待できます。
この悩み事に名前をつけるというテクニックには、次のような効果が期待できます。
1. 自分を客観視できる
効果の1つ目は、番組でも紹介されていた自分を客観視できるというものです。
深刻な悩み事の場合、その悩み事で頭がいっぱいとなり、考えたくなくてもそのことばかり考えてしまいがちになります。
それに対して悩み事に名前をつける状態では、例えば「〇〇ぼっち」と名前をつけようと思えば、自分がどのような状態にあるのかを他者の視点から想像する、つまり自分を外側から見つめる態度が必要となります。
この自分の客観視が可能となることで、2つ目以降の様々なメリットが生じます。
2. 悩み事から距離を置けるだけでも、精神的にかなり楽になれる
1の客観視の説明と少し重複しますが、悩み事に名前をつけるという行為は、悩み事を自分とは異なる存在(=対象)として認識しないとできません。
実はこの当たり前に思えることが、悩み事で頭がいっぱいの時には自覚できず、そのため悩み事に囚われて身動きが取れない形となっています。
このため悩み事に名前をつけるという行為によって、悩み事そのものと自分とは異なる存在であることが認識できるようになります。
このことがなぜ重要かといえば、別物と認識できることで悩み事との間に距離を置くことが可能となり、それだけでも精神的にかなり楽になれるためです。
まだ問題が解決したわけではないにも関わらずです。
3. 悩み事について冷静に考えることができるようになる
3つ目の効果として、自分を客観視でき、かつ悩み事との間に距離を置き精神的に楽になることで、これまでよりも冷静にその悩み事について考えることができるようになります。
それに対して、悩み事に囚われて身動きが取れない状態では、色々と対応策を探っているように思えても、実際は同じような考えが堂々巡りしてしまっていることがよくあります。
4. その後も同じような悩み事が生じた時に気づきやすくなる
4つ目の効果は、一度名前をつけると同じような事態に直面した時に気づきやすくなることです。
このことは特に改善したい性格などに有効です。
例えば私は若い頃よく辛い気分に陥ると、実際以上に辛そうに振舞うことで他人のケアを引き出したり、あるいはその辛い自分を空想の中で哀れむことに延々を時間を費やしたりしていました。
そこでそのようなことをしている自分のモードに「悲劇のヒロイン(モード)」と名付けると、それ以降は同じようなことをし始めた時に気づきやすくなり、徐々にその行為を止められるようになりました。
少し回りくどい説明になってしまったかもしれませんが、以上のように悩み事に名前をつける行為は、そのことだけで即座に悩み事が解決するわけではありませんが、しかし問題解決の確率を高める非常に有効な手段と言えますので、ぜひ試してみてください。
近々投稿する次のページでは、短い記事ですが、その名前の付け方について少しだけ触れる予定です。