自己愛的な人が価値を置くこと嫌悪すること~自己愛講座18

今回の記事は前回の「お説教やダメ出しを延々と続ける人の2つの自己愛タイプ~自己愛講座17」の最後に告知しました、抑うつ型の自己愛タイプの人が行う問題行動への対処方法から予定を変更しまして、誇大型・抑うつ型の違いを問わず、自己愛的な人が価値を置くことと、反対に嫌悪することを一覧にしてみました。
これは現在執刀中の写真家のウェブサイトの方に投稿する記事の参照資料とする為です。何卒ご了承いただけますでしょうか。

なお「嫌悪する」という強い表現を使っているのは、私自身もその一人ですが、自己愛的な人は好き嫌いの振幅が非常に大きく、そのため好きなことは過剰なまでに理想化する反面、そうでないことは徹底的に忌み嫌う傾向があるためです。
ですから、この後のリストにある「価値を置くこと」とは、人によっては「限りなく素晴らしいこと」を、「嫌悪すること」とは「この世から消し去りたい」ほどの嫌悪感を抱くことを意味する可能性があります。

価値を置くこと 嫌悪すること
空想・理想 現実
常に人より優れていること 少しでも人より劣っていること
非の打ちどころのない完璧な人間性 少しでも批判や恥をかかされること
抽象的なこと 具体的なこと
思考 感情や感覚(特に前者)
自由 あらゆるルールや制約
非凡 平凡
常識にとらわれない 常識を尊重
完全性 不完全なものや曖昧さ
善・正義 少しでも悪者にされること
高尚なこと 世俗的・庶民的なこと
崇高 親しみやすさ
超越 妥協や受容
難解さ 分かりやすさ
冷静さ 興奮
クールさ 情熱
仕事 レジャー
ストイックさ 人生を楽しむこと
知性や理性 生理的な欲求
真実一路な一途さ 要領の良さや臨機応変さ
知識人 大衆
本質・普遍性・永遠 変化とそれへの対応
清貧(抑うつ型) お金(抑うつ型)
理想化・抽象化されたイメージ 生身の感覚
適切に整えられていること 率直さ
美しさ 醜さ
上品 下品・派手
阿吽の呼吸・さりげなさ ハッキリとした意思表示
慎み深さ・謙虚さ 欲求や要求の意思表示
無の境地(抑うつ型) 欲を持つこと(抑うつ型)
教養 実用的な知識・スキル
理想を追求し続けること 現実を直視する・受け入れること
賢さ・知識 無知

これはあくまでステレオタイプなものですが、自己愛的な人には以上のような価値観の特徴があると考えられます。

ここにある自己愛的な人が嫌悪する特性の多くは、いわゆる常識的な価値観として大多数の人から大切なことや好ましいことと思われているものではないでしょうか。
恐らくこれらのギャップが自己愛的な人の生きづらさを生み出しているものと考えられます。

なおこの対比は自身だけでなく他人に対してもそのまま適用されますので、価値を置く特性を有している人は「この人の言うことは間違いない」というように、完全性を備えた限りなく素晴らしい人として理想化され、その反対に嫌悪する特性を備えた人は敵視されたり強烈な蔑みの対象となることがあります。

さらに、どのような人でもリストの特性のどちらか一方のみを有しているということは滅多になく、多分に両方の特性を有していますので、境界性パーソナリティ障害など重症域の自己愛障害の方と接すると、ある時はベタ褒めされたと思えば、別の時には徹底的にこき下ろされるという経験をすることになります。

※このリストは暫定的なものですので、新たな知見が得られるたびに更新していきます。
また今後それぞれの項目について詳述していく予定です。

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