新型コロナウイルスの感染予防対策~外出を控え巣ごもりするだけでは限界があり、メンタルにも有害

目次:
新型コロナウイルス感染症、家庭内感染も多数報告
今後、家庭内でも徹底した感染予防対策が要請される可能性は低い
感染症の専門家の見解ばかりが尊重される現状に危惧
テレワークの困難さは、企業の事情だけではない
新型コロナウイルスと共存すべきとの見解も浮上

新型コロナウイルス感染症、家庭内感染も多数報告

一昨日5月2日の東京都の新型コロナウイルスの感染者数の報道の中に「33人は家庭内で感染したとみられる」旨の記述がありました。
東京 新たに160人の感染確認 15人死亡 新型コロナウイルス|NHKニュース

ご承知のように新型コロナウイルス感染症の特徴は、感染しても症状がほとんど出ない人がいることです。
またそれに加えて、飛沫感染力と接触感染力の強さも挙げられます。

これらの特徴のため、最初にこの記事を見たときは、感染しても自宅待機を余儀なくされている人がいる家庭だけでなく、家族の感染に気づかず長時間同じ空間で過ごす「3密」と称される濃厚接触の状態が持続することで、今回のような家庭内感染が生じてしまっているのではないかと推測しました。

しかし後から考えると、感染不明者からの感染は完成経路不明と判断されるでしょうから、この33人という数字は陽性判定もしくは感染の疑いがある自宅待機者からの感染数ではないかと推測しています。

ただもしそうであれば、このことは自宅待機の危険性を示すものであり、それゆえ問題視されても良さそうなものですが、不思議とそのような情報は伝わってきません。

このように家庭外での感染に関しては各国が危機感を募らせる一方で、家庭内は安全地帯であるかのような認識が広まっているようですが、このような現象が生じる心理をうまく説明できる理論が精神分析には用意されていますので、次回それに基づく仮説を記事にする予定です。

今後、家庭内でも徹底した感染予防対策が要請される可能性は低い

また家庭内感染が少なからず生じていることからも、PCR検査などによる感染調査の拡充が望まれるわけですが、それも技術的な限界や医療崩壊を防ぐ目的などから困難な場合、現在推奨されている極力外出を控え巣ごもりに徹するだけでは不十分なように思えます。

しかし前述のように家庭内の感染リスクに関しては安全神話が広く浸透していますので、今後、家庭内でも徹底した感染予防対策が要請される可能性は低いと考えています。

感染症の専門家の見解ばかりが尊重される現状に危惧

また感染リスクに加えて4月30日放送のBS11「報道ライブ インサイドOUT」に出演した、精神科医の和田秀樹さんと、NPOメンタルレスキュー協会理事長の下園壮太さんからも、長期間の巣ごもりはメンタルに深刻な悪影響を与えることが指摘されていました。

このため和田さんからは「政府は感染症の専門家だけでなく、メンタルの専門家などの意見にも耳を傾けて欲しい」旨の提言がなされていました。

例えば精神的なストレスは免疫力を低下させてしまうことから、感染リスクと全般的な免疫力とを天秤にかけ、総合的に判断する必要があるのではないかと考えられます。

テレワークの困難さは、企業の事情だけではない

さらに経済ニュースでは1ヶ月以上前から指摘されていたこととして、インターネット回線の使用量の急増をあげることができます。

これまで人との接触を避けるために、学校の授業や企業内のコミュニケーションのオンライン化を急速に進めて来たわけですが、インフラがその需要に追いつけない事態が生じ始めているようです。
「在宅」で通信量急増 ネット接続、遅延懸念も―広がるテレワーク、遠隔授業:時事ドットコム

以上のような弊害は、前述の和田さんの指摘にもあるように、感染拡大防止と補完としての経済対策のみを最優先に考えてきた結果と言えますが、これからはこれらの弊害が無視できない規模で生じる可能性があるように思えます。

例えばメンタル不全に関しては、インサイドOUTの両ゲストの見解では、精神科領域の受診が増えるのはこれから(5月以降)ではないかとのことでした。
(すでにコロナうつが流行語になりつつあります)

新型コロナウイルスと共存すべきとの見解も浮上

最後に最近感染症の専門家から、新型コロナウイルスは消滅することはなく、むしろインフルエンザウイルスのように毎年流行する可能性があるため、それに備えて生活スタイルを根本的に変える必要性があるとの見解をよく耳にするようになりました。

この見解は現時点ではあくまで推測に過ぎないものですが、もし仮にそうなってしまった時のメンタルへの影響が、個人的にはとても気になっています。
いずれ愛着理論などを援用しつつ考察したいと考えています。

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