逆転移@カウンセラーによるクリアリング・ア・スペースの利用:フォーカシングの応用1

カウンセリングの前に「クリアリング・ア・スペース」を行えば、カウンセラーによる逆転移を最小限に抑えることができます。

逆転移とは?

逆転移とは、カウンセラーが自分の感情・価値観・抱えている問題などをカウンセリングの場に持ち込んでしまう現象です。
カウンセラー側の問題がクライエントに投影され、ありのままに見ることが出来なくなるため、カウンセリングの弊害となります。

クリアリング・ア・スペースの利用:

クリアリング・ア・スペースとは、ジェンドリンのフォーカシング・マニュアルの第一段階で行われる作業です。「空間をつくる」とも訳されています。
本来のクリアリング・ア・スペースは、クライエント(フォーカシングでは「フォーカサー」と呼ばれます)が行うものですが、実はカウンセラー(リスナー、ガイド)が行っても大変有益な作業です。

クリアリング・ア・スペースの方法:

1. カウンセリングの前に、最低でも15分程度の時間を確保します。
2. 楽な姿勢を取り、目を閉じて体の内側に注意を向けます。←「つもり」で大丈夫☆
3. 自分自身に「今、気になっていることは何だろう?」と問いかけます。
4. 浮かんで来たことを、イメージの中で安心できるまで距離を取って置きます。←これも「つもり」で大丈夫☆
5. 何も浮かんで来なくなるまで、4の作業を繰り返します。
全部並び終える頃には、気持ちも体も随分楽になっているはずです。これで安心してカウンセリングに臨めます♪
※ここに述べたクリアリング・ア・スペースは「問題を脇に置くこと」を意図しています。したがって、「フェルトセンス」に触れることを目的としたフォーカシング・マニュアルの方法とは若干異なっています。

クリアリング・ア・スペース&傾聴で転移・逆転移を防ぐ☆

このように、カウンセリングの前に少し時間を取り「クリアリング・ア・スペース」で問題を整理し、脇に置いておければ、厄介な逆転移を減らすことができます。
さらにカウンセリングの場で傾聴が用いられるならば、転移・逆転移の作用は最小限に抑えられるはずです☆
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ユージン・T.ジェンドリン著『フォーカシング』、福村出版、1982年
創設者によるフォーカシングの最良のガイド本☆

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