傾聴に求められるカウンセラーの態度@フォーカシング指向心理療法

1. カウンセラー自身の欲求と傾聴との葛藤

夢分析心理カウンセリング傾聴を用いた場合、主に以下のような葛藤に直面します。

2. カウンセラーとしての力を示すことが出来ない

カウンセリングの場では、クライエントに対する様々な質問や提案(時にはアドバイスまでも)が心に浮かんできます。
しかし、これらの欲求はカウンセラー自身の問題解決には役立つのかもしれませんが、必ずしもクライエントの問題解決に役立つとは限りません。
ですから、これらの欲求の大部分は、出て来たことは認めつつも、脇に置いておかねばならないのです。
このようなカウンセリングに対する態度を育むには、『クリアリング・ア・スペース』がとても役に立ちます☆
関連ページ:逆転移@カウンセラーによるクリアリング・ア・スペースの利用

3. 自尊心が得られない

傾聴において、カウンセリングの方向性を決めるのは(カウンセラーではなく)あくまでクライエントです。その後をカウンセラーは傾聴によって付いて行くだけです。
ですから、カウンセラーが積極的に質問や提案によってカウンセリングをリードして行く他の技法に見られる、一種「魔術師のような力」を示すことは決して出来ないのです。

3. 自尊心が得られない

2で述べたように、自分でカウンセリングをリードしている実感が持てないことは、結果として「自尊心が得られない」ことにも繋がります。
もっとも、カウンセリングが上手く進んでいる時には、「上手く傾聴できている」「上手くプロセスに付いて行けている」という意味での自尊心(充実感)は持ち得ます☆

それでもカウンセリングに傾聴を用いる理由:

かようにカウンセラーに厳格な態度を強いる傾聴ではありますが、それでも傾聴を続ける理由…それは、クライエントが肯定的なエネルギーを獲得し変化して行くのを、目の当たりにすることが出来るからです☆

ユージン・T.ジェンドリン著『フォーカシング指向心理療法(上・下巻)』、金剛出版

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