精神分析理論の一つの自己心理学では、いわゆる「甘え」と呼ばれる感情ないしは欲求には「健全な甘え」と「病的な甘え」があると考えられています。
一昨日のTwitter*の「甘え」に関する一連のツイートをまとめてみました。
(一部、加筆してあります)
*ID: @kenjitajiri
辛いときに誰かに傍にいて欲しいと願うことは自然なこと:
自己心理学では人間は誰でも、認めてもらったり、褒めてもらったり、優しくしてもらったり、あるいは尊敬できるような相手を生涯にわたって必要としていて、辛い時にはこの欲求が一際高くなると言われています。
ですから辛い時に誰か、特に大切な人に傍にいて欲しいと願うことは、とても自然なことです。
自己心理学における健全な甘えと病的な甘え:
上述の欲求は日本では「甘え」と呼ばれる感情にあたると思われますが、この言葉にはどちらかと言えばネガティブなイメージがつきまといますが、それは恐らく子供のような甘え方が想定されているからではないかと思われます。
自己心理学ではそのような甘えとは別に、健全な甘えもあると考えられています。
自己心理学の想定する健全な甘えの感情(欲求)とは、限りがあり、かつ甘えさせてもらえた相手に対して感謝の気持ちを感じるような甘え方です。
それに対してネガティブなイメージの甘えは際限がなく、また相手が甘えを受け入れるのを当然であるかのように思い、当然感謝の気持ちもありません。
際限のなく甘えられ続け、なおかつそれを満たしてあげても当然だと思われると、人はまるで自分がまるで物(便利な道具)*のように扱われているかのように感じられます。
*このことは自己心理学では自己愛の延長物と呼ばれています。
それに対して適度に甘えてもらえて、そのことに対して感謝の気持ちも表現してもらえれば人は「他人の役に立てた」との喜びを感じます
ですから、お互いにメリットのある「健全な甘え」がもっと社会から認められるようになれば良いと願っていますし、また快適な人間関係に欠かせないスキルだと個人的には思っています。
甘えにおける遠慮の存在:
甘えについて、もう一つ気づいたことがあります。それは遠慮です。もし家族や恋人など非常に親しい間柄の人に対して遠慮がちに甘えれば他人行儀と思われるかもしれません。
しかしそうではない人に遠慮なしに甘えれば今後は逆に、それは遠慮を知らない、世間知らずなどと思われてしまうかもしれません。
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