セラピストのための子どもの発達ガイドブック-児童カウンセリングや子育ての悩み相談の参考になる本

要約:ディー・C・レイ編著『セラピストのための子どもの発達ガイドブック』は、0歳から12歳までの子どもの脳機能、運動機能、メンタル、行動面などの特徴や、効果的な関わり方が各年齢ごとにコンパクトにまとめられており、児童カウンセリングや子育ての悩み相談などに大変参考になる本。

現在ご縁をいただき、本業の心理カウンセリング業のかたわら、学童保育のスタッフの仕事をしております。
このため子供の心の理解の一助にと、知人が翻訳に参加したディー・C・レイ編著『セラピストのための子どもの発達ガイドブック:0歳から12歳まで 年齢別の理解と心理的アプローチ』という本を急ぎ読んでおります。

各年齢ごとの解説を元に、効果的なサポート方法を選択できる

『セラピストのための子どもの発達ガイドブック』の際立った特徴は、12歳までの子どもの特徴が、0歳から2歳までを除き1歳ごとに解説されていることです。

またその内容も、脳機能、運動機能、メンタル、行動面などの特徴から効果的なサポート方法までと非常に多岐にわたり、これらの情報が分かりやすくコンパクトにまとめられています。

このため児童カウンセリング、もしくは子育ての悩み相談などを受ける機会のある心理職の方々は、同書の各年齢ごとの解説をもとに、効果的なサポート方法を選択することができるはずです。

年齢によっては2つの時期に分けて記述

さらに『セラピストのための子どもの発達ガイドブック』では、例えば6歳と6歳半というように、年齢によっては2つの時期に分けて、それぞれの特徴が記述されています。
これは子どもには発達段階ごとに特定の性格的な傾向が見られ、しかもそれが時期によっては6ヶ月ごとに大きく変化する規則性が見出されているためです。

このような子どもの変化の規則性を理解することは非常に重要であり、そのメリットを実体験を交えながら別途記事にする予定です。

発達のプロセスに即したサポートの必要性を実感

なお『セラピストのための子どもの発達ガイドブック』を読んで一番痛感したのは、生物の一種である人間には発達のプロセスが存在し、そのプロセスを省略したり、あるいはスピードを早めることはできないという点です。

このため同書は、この法則を軽視して無理に発達を促すような方策は、子どもに深刻なストレスを与えてしまい、その結果むしろ発達を遅らせてしまう危険性があると警鐘を鳴らしています。
(この点については、私説を交えつつ別途記事にする予定です)

サポートの具体的な実践方法は参考文献にあたる必要がある

最後に『セラピストのための子どもの発達ガイドブック』は、子どもやその保護者のメンタルのサポートに従事する人々に非常に有益な情報を提供するものではありますが、残念ながら同書を読んだだけでは、子どもの各年齢に適したサポート方法を実践することはできません。
なぜなら同書には、それらの技法の具体的な手順までは書かれていないためです。

このため子どもを対象とした心理職に携わる方々は、同書で選別した技法を実践するために、別途参考文献にあるような各技法の解説書を読んだり、あるいはトレーニングを受ける必要がある点は注意が必要です。

補足) 同書には読み方にも少し注意が必要と思われるため、次のページではその点について触れます。

紹介文献

ディー・C・レイ編著、小川裕美子、湯野貴子監訳『セラピストのための子どもの発達ガイドブック:0歳から12歳まで 年齢別の理解と心理的アプローチ』、誠信書房、2021年

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