ネガティブな万能感によるマイナス思考・悲観主義・加害妄想・罪悪感・うつ病・自殺願望の心理-自由連想法による夢分析・治療245回から以下のような自己洞察を得ました。
加害妄想的な心理
自由連想法による夢分析の結果、これまでの自己分析で得られた被害妄想的な心理とは異なる「自分が楽しい思いをすることで相手(神様のような存在)を怒らせてしまった」とする、非現実的で加害妄想的な無意識の心理の存在が明らかとなりました。私のこのような加害妄想的な心理は精神分析ではネガティブ(否定的)な万能感と呼ばれます。
ネガティブな万能感によるマイナス思考・悲観主義
万能感とは防衛機制の一つで一般的には、幼児的万能感と呼ばれるような「何でも自分の思い通りになる」と錯覚する心理を指すことが多いようですが*、万能感にはその真逆の「何もかもが自分の思い通りにならないように世の中ができている」と思い込むような心理状態もあります。
(あくまで私見ですが)この無意識のネガティブな万能感が、俗にマイナス思考や悲観主義と呼ばれる「物事を何でもネガティブな方向に考える(実際には想像する)」心理の原因の一つとなっていると思われます。
つまり主観的に感じられるマイナス思考や悲観主義の底には、ネガティブな万能感の働きにより「知らず知らずのうちに相手に危害や不快感を与えてしまい(加害妄想)、自分で自分の人生をメチャメチャにしてしまうに違いない(自虐的妄想)。だから何をやっても上手くいかないに決まっている。」というような無意識の信念が存在している可能性があると考えられます。
*幼児的万能感はすぐに「わがままで尊大な態度」として表れるため認知されやすいことが、広く知られている要因と思われます。
ネガティブな万能感による被害妄想
またネガティブな万能感に支配されていたとしても、より軽微の場合には加害妄想の心理があまり強く働かず、したがってマイナス思考や悲観主義のよる慢性的な抑うつ状態に陥ることもないため、むしろ幼児的万能感の作用による被害妄想的な心理の方が強く意識されると考えられます。
これは万能感が自己愛障害から生じると考えられることから、程度の差はあれ幼児的万能感とネガティブな万能感の両方の心理が作用していると推測されるためです。
ネガティブな万能感による重度の抑うつ・罪悪感・うつ病・自殺願望
次に自由連想法の最後の「いや、いっそ本当に消えてしまった方が世のため人のため、社会貢献かもしれない」から「死んでお詫びするしかないのだから」の部分は、うつ病や他の精神障害の方が重度の抑うつ状態に陥ったときに生じる過剰な罪悪感や自殺願望と、どこか共通しているように思えます。
このことはネガティブな万能感がマイナス思考や悲観主義のよる慢性的な抑うつ状態を作り出し、それがやがては うつ病に至るまで重症化し、過剰な罪悪感や自殺願望をも引き起こす可能性があることを示唆していると考えられます。
マイナス思考・悲観主義・ネガティブ思考 心理学的分析本
万能感 心理学的分析本