抑うつ型自己愛性人格(障害)に潜む罪悪感からの自殺衝動と人の役に立ちたい気持ち-自由連想法による自己分析・治療での自己分析から抑うつ型自己愛性人格(障害)に関する次のような自己洞察がありました。
抑うつ型自己愛性人格(障害)に潜む罪悪感からの自殺衝動
これまで私は自分が「自分にしか関心がない」自己愛性人格タイプの人間だとばかり思っていました。
またそれゆえに自殺衝動に駆られるのは自分が苦痛から逃れたいからだと思っていました。
しかし今回の自由連想法による自己分析・自己治療により、自殺衝動はうつ病や重度の抑うつ状態の方によく見受けられる、生きていることを他人の迷惑と考える罪悪感から生じていたことに気づかされました。
人の役に立ちたい強い気持ち
また今回の自由連想法による自己分析・自己治療では同時に、自分が心の底(深層心理)では「そうでなければ死んでお詫びするしかない」と思うほど人の役に立ちたい気持ちを強く持っていることも知りました。
そうだとしますと私は自分が思うほど自分勝手な人間ではないのかもしれません。
自分がそれほど酷い人間ではないと思うと少し気が楽になりました。死んでお詫びをしなければならないほど身勝手な人間ではないと実感できたためです。
罪悪感と自尊心の低下をもたらした幼少期の外傷的な体験の繰り返し
その後、何でこんなに自分を身勝手な人間だと責めるのか考えてみますと、幼い頃に(自分としては)心配して言ったつもりの言葉が母親には「心配心のかけらもない薄情な言葉」として受け取られ激しい非難を浴びた出来事が思い出されました。
自己心理学の理論を援用すれば、おそらくこのような体験の繰り返しから自分を「心配心のかけらもない」言葉を変えれば「自分のことしか考えない身勝手な人間」だと信じる思考が形成され、またそのような信念が「身勝手な人間がのうのうと生きていることへの罪悪感」を生み、ひいては自尊心の低下をもたらしたのだと思われます。
また今回の自由連想法による自己分析・自己治療は、自己愛性人格障害・回避性人格障害(抑うつ型自己愛性人格)などの人格障害と うつ病との関連についての洞察をもたらしました。
関連ブログ:うつ病様の罪悪感からの自殺衝動@自己愛性人格障害・回避性人格障害
さらに今回の自由連想法による自己分析・自己治療では、途中から自殺に関する連想がどんどん出てきたときは「このまま自由連想法を続けるとどんどん罪悪感や抑うつ気分が強くなり、そのうち本当に自殺したくなってしまうのではないか」と心配になりましたが結局その心配は杞憂に終わりました。
この体験から自由連想法による自己分析・ゲシュタルト療法の心理カウンセリング・夢分析への効果で述べた「自己洞察には自由連想法、自己受容にはゲシュタルト療法が最適」という心理療法の使い分けに対しても修正を迫られることになりました。
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うつ病などを原因とした自殺の心理 心理学的分析本