自己愛性人格的気質の育児への影響:
「母の期待…@自己愛性人格障害」の最後に書きましたように、私は「生まれた時から周囲の気配を気にする子供で、大丈夫だと判るまでは決して普通の子供のように騒いだりはしなかった」そうです(自己愛性人格の周囲の要求に過剰に合わせる傾向)。
このようなある意味大人びた気質が少なからず環境(例えば母親の育児)に影響を与えたとしても不思議ではありません。
母親の赤ちゃんへの同一化:
小児科医(かつ精神分析家)のウィニコットは赤ちゃんの育児について次のように述べています。
「赤ちゃんは無力であることや依存性によってコミュニケートする。コミュニケーションのあるなしは、母親が赤ちゃんと同一化できて、明確な要求が示される以前に何が必要かが判るかどうかに、かかっている。」(赤ん坊と母親 P.114)
赤ちゃんは無力であることから、生きるためには環境に全面的に依存せざるを得ない。また自らの要求を環境に的確に伝える術も知らない。したがって母親は積極的に赤ちゃんに波長を合わせ(同一化)要求を感じ取る必要がある、というわけです。
ところが、赤ちゃんが私のように「物わかりが良さそう」な場合はどうでしょう? この場合、母親に対して育児の際の赤ちゃんへの同一化の必要性を感じさせない方向に影響を与える可能性が考えられます。
そうなると、ますます赤ちゃんらしく振舞うことができない状況になっていくのではないでしょうか…
自己愛性人格傾向への恨み…
そう思った時、突然深い悲しみが押し寄せてきました…
「何でこんな性格に生まれてきてしまったのだろう…」
自己分析で初めて、自分の生まれながらの人格傾向(自己愛性人格傾向)を恨みました…
子供と気質 解説本リスト
※「人格障害の定義」「自己愛性人格障害の定義」についてもご一読ください。