葛藤による成長:
「赤ちゃんが成長して少し大きくなると、人生はしだいに複雑になります。母親の適応の失敗自体が適応になるのです。つまり欲求不満に反応し、怒り、そして受容が一層意味があり心をワクワクさせるような仕方で拒絶と戯れる、といった子供の成長欲求に適応することになるのです。」(赤ん坊と母親/ウィニコット P.75)
ここで「母親の適応の失敗」とは、母親が赤ちゃんの要求を満たせなかったことを指しています。そして母親が赤ちゃんの要求をすべて満たすことは到底不可能ですので、適応の失敗が起こる日が必ず来ます。
その時、赤ちゃんは欲求不満に陥りますが、この欲求不満からくる怒りや受容を経験することで「要求したことを苦労して手に入れる喜び」を感じることができるようになります。
自己分析:
ところが私の場合は、自己愛性人格障害の特徴である過度の従順さを生まれながらに持ち合わせていたため、欲求不満に対して怒りで反応する代わりに、状況を無条件に受け入れる(または相手の要求に服従する)ことで欲求不満を回避する癖を身に付けてしまったようです。
こうして「苦労して手に入れる喜び」を知らずに育った私は、欲求不満や葛藤を感じる度に自分の欲求を諦め、あるいは相手の要求に服従することで対処し、それでも治まらない時は相手に投影することで解決を図ってきました。
投影の一例:尊大さの投影によるストレス・対人恐怖症@抑うつ型自己愛性人格障害
またこのことは苦労して手に入れることで得られる自信(自尊心)が育たなかったことや、自己と他者との境界が曖昧であまりにも他者からの影響に晒されやすいこととも関係していると思います。
このような何事も回避することで解決を図る性格は今でも、あらゆる面で私を苦しめています。
回避の一例:絶えず虚無感を回避@自己愛性人格障害
欲求不満 心理学的考察本リスト
※「人格障害の定義」「自己愛性人格障害の定義」についてもご一読ください。