ストレスによる身体表現性障害(心身症)の診断と治療 目次:
心療内科での治療を決意
心療内科初体験の緊張から失禁恐怖症(トイレ不安)の症状発症…
ストレスを原因とした身体表現性障害(心身症)と診断…
DSM-Ⅳ-TRによる体表現性障害(心身症)の種類
身体表現性障害(心身症)の治療
・薬物療法
・ストレッサー(ストレス源)の除去
・心理療法(特に認知行動療法)
心療内科での治療を決意:
眼精疲労・緊張型頭痛・耳鳴り・めまい・吐き気…はストレスによる心身症の症状?のブログにも書きましたように、眼科医から私の訴える症状が「目やその他の身体の異常では医学的に説明がつかない」として精神科や心療内科での治療を勧められたため、さっそくネットでなるべく近所で通院しやすい個人経営の心療内科*を探し始めました。
*精神科での治療には何となく抵抗を感じましたし、大病院では患者さんの数が多すぎて3分診療になりそうな気がしましたので^^;
幸い新宿に「予約なし」で治療が受けられ、しかも口コミサイトによれば「待ち時間もほとんどない」心療内科を偶然見つけましたので、さっそくその心療内科の治療を受けることを決意。
心療内科初体験の緊張から失禁恐怖症(トイレ不安)の症状発症…
期待と不安を感じつつ心療内科なる所へ初めて足を踏み入れると…大学生さんのような受付の方がお出迎え…
しかも予想に反して、患者さんが3人も待っていました…
さらに心療内科が初体験のことに加え、普通の内科とは明らかに何かが違う心療内科の待合室の雰囲気に緊張と不安が高まったのか、持病の失禁恐怖症(トイレ不安)の不安症状を発症し、30分ほどの待ち時間の間に2回もトイレに行ってしまいました(T_T)
しかしやっと診察の順番が来て、診察室で精神科医(心療内科医?)と相対したときには冷静さを取り戻し、割とハキハキと受け応えができました。
ストレスを原因とした身体表現性障害(心身症)と診断…
10分ほどの問診を終えてから下された診断名は…ストレスを原因とした身体表現性障害。あまり聞きなれない診断名ですが、昔は心身症と呼ばれていた診断名です。
関連ブログ:頭痛・耳鳴り・めまい・吐き気の症状への薬の効果も最初だけ…身体表現性障害(心身症)の治療
具体的には器質的な異常などの原因が一切見られない、あるいはたとえ異常が見つかったとしても、それだけではとても説明しきれないほど多くの(主として)身体症状が生じる病気の総称で、何らのストレスが原因で発症するのではないかとの仮説から、身体症状が主訴にもかかわらず精神疾患(心の病)に分類されています。
DSM-Ⅳ-TRによる身体表現性障害(心身症)の種類:
アメリカ精神医学会(通称DSM-Ⅳ-TR)によれば、この身体表現性障害(心身症)は症状により、以下のように細かく分類されています。
・身体化障害
・鑑別不能型身体表現性障害
・転換性障害
・疼痛性障害
・心気症
・身体醜形障害
・特定不能の身体表現性障害
私の身体表現性障害が具体的にどの診断名に該当するのか、主治医の方からハッキリとおっしゃってはいただけませんでしたので、私なりにDSM-Ⅳ-TRの診断基準で調べてみた限りでは鑑別不能型身体表現性障害に該当するようです。
※具体的な診断基準の掲載は著作権に触れる可能性がありますので、ご容赦ください^^;
身体表現性障害(心身症)の治療:
次に身体表現性障害(心身症)の治療についてですが、そもそも身体表現性障害(心身症)という精神疾患が、原因が特定されているというよりも血液検査・尿検査などの各種検査やCTスキャン・MRIなどの画像診断などのよっても一切異常が見当たらないために(便宜上?)ストレスが原因とされているような性格の病気です。
このため身体表現性障害(心身症)に対しては、主に心因性の病気に対する治療的アプローチが第一選択肢となることが多いようです。
薬物療法
一般的に抗不安薬(精神安定薬)に加え、不眠症状(睡眠障害)が見られれば睡眠薬、抑うつ症状があれば抗うつ薬などが処方されるようです。
※ちなみに私の場合は最初、レキソタン1mgという筋弛緩作用もある抗不安薬(精神安定薬)と、ロキソニン10mgという短時間作用型の睡眠薬が処方されました。
患者の立場としては一刻も早く辛い痛みを解消して欲しいところですが、身体表現性障害(心身症)がストレスを原因がとした心因性の病気との理解から、通常鎮痛薬などによる痛み(疼痛)のコントロールは行われないようです。
事実、上述の抗不安薬(精神安定薬)では耳鳴り・頭痛・吐き気が解消しなかったため、知人の勧めもあり「もしかして前回の画像診断(CTスキャン)で気質的な原因が見落とされているのではないか」と不安になり、以前に受診した神経内科を再受診しました。
しかし「心療内科で身体表現性障害の診断が下されているのでしたら、頭痛はストレスによる緊張性のものでしょう。こちらでは特に鎮痛薬による痛みのコントロールは行いませんので、心療内科にご相談ください」と再検査すらしてもらえませんでした(T_T)
ストレッサー(ストレス源)の除去
もしストレスの原因がハッキリしているのあれば、そのストレス源(ストレッサーと呼ばれます)を可能な限り除去することで、心理状態が安定して症状の軽減が期待できます。
※ここでのストレッサー(ストレス源)とは、気晴らしなどによるストレス発散では対処できないような、より深刻かつ反復的なストレス源を想定しています。
もっともストレス源が仕事に関することの場合、精神疾患やメンタルヘルスに対してよほど理解のある職場でもない限り、ストレス源の除去ないし軽減は難しいのが(残念ですが)現状のようです(T_T)
心理療法(特に認知行動療法)
身体表現性障害(心身症)の原因が特定のストレス源というよりも、クライエントさんのライフスタイル全般、還元すればそのライフスタイルを生み出している信念(考え方)にある可能性も考えられます。
そのようケース巣の場合考え方の癖が修正されない限り心理的ストレスの発生が慢性化することとなり、最悪の場合薬物療法の効果が望めないか、たとえ効果が得られたとしても服用を止めればすぐに身体症状が再発してしまう可能性があります(T_T)
※このことは、うつ病(うつ病性障害)や躁うつ病(双極性障害)についても同じことが言えます。
このようなケースでは、心療内科や精神科では薬物療法に加えて心理療法、特に認知行動療法*を併用する場合が多いようです。
*認知療法・行動療法・論理療法など、学習理論に基づいて認知(物事の受け止め方)や行動を、より適応的なパターンに修正するを目的とする心理療法の総称
もっともこれは認知行動療法が身体表現性障害(心身症)の治療に一番効果が高い心理療法であることを示しているとは限らず、治療のエビデンス(科学的根拠)が他の心理療法に比べてより多く確認されているからに過ぎません。
これは保険診療で心理療法を用いる場合には、治療のエビデンス(科学的根拠)が確立されている必要があるためと考えられます。
心身症診断・治療ガイドラインほか、身体表現性障害(心身症)の症状・原因・診断・治療ガイド本
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