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人格障害の定義

このブログにおける人格障害の定義について述べさせていただきます。

人格障害のイメージ:

一般的に人格障害(パーソナリティ障害)には、境界性人格障害のように自傷・多傷行為を伴うなどの「とても危険な」イメージがあるように思われますが、このブログでは人格障害という用語をそれとはかなり異なる意味で使っています。

性格要因としての人格障害:

精神疾患のタイプは二つに大別することができます。一つは、ある心的外傷体験*(およびその継続)が主な原因で起こる精神疾患(状況要因タイプ)。もう一つは、主としてその方の人格(性格)が原因で起こる精神疾患(性格要因タイプ)です。
このブログでの人格障害は、後者の性格要因タイプの精神疾患であることを示すために使われています。そのためこのブログでの人格障害は、必ずしも重度の精神疾患を表すわけではありません。単に「人格の特徴が生活の障害となっている」ことを示すに過ぎません。
*ここでの心的外傷体験には、心的外傷後ストレス障害(PTSD)よりも広義の「心に傷を負わせる可能性のある、あらゆる体験」を含みます。

各病理水準の人格障害の名称:

そこで病理水準を示す必要がある場合には、次のように人格障害を使い分けています。

統合失調症水準の人格障害

もっとも重度の人格障害で、診断名としての統合失調症(以前の精神分裂病)がこれにあたります。

境界性(ボーダーライン)水準の人格障害

統合失調症水準と神経症水準との間の病理水準の人格障害で、DSM-4の各人格障害にあたります。おそらくこれが一般的に知られている人格障害のレベルに近いと思います。

神経症水準の人格障害

以前に神経症と呼ばれていた水準の人格障害です。

健常水準の人格障害

健常レベルの方を「人格障害」と定義するのはおかしいかもしれませんが、「(病院での診断や心理療法が必要なレベルではないにしても)その方の人格の特徴が何らかの形で生活の障害になっている」とすれば、このような区分も可能だと思います。
※人格障害の区分は「パーソナリティ障害の診断と治療」での区分法を参考にしています。
境界性(ボーダーライン)については、これを病理水準ではなく「一つの人格タイプ」とする考え方もあります。DSM-4においても後者の考え方が採用されており、境界性人格障害と呼ばれています。
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