夢の内容:
架空の学校の校舎で政治的な秘密結社の集会のようなものが開かれている。
中国人風の男がスパイ容疑で連行されて来る。後ろ手に縛られ、右足の自由も奪われている。
一瞬の隙を見て男が逃げ出す。しかし上手く逃げおおせたと思ったのもつかの間、どこからともなく鋭い歯を持ったトランプが飛んできて男の体に次々と切り傷を作っていく。
「もう逃げられないわよ。大人しく降参しなさい。」
よく見ると階段の踊り場から生徒会長の女子(小柄でおかっぱ頭、加えて蟹股)がトランプを次々と投げつけている。
教師陣からは上手く逃げおおせたが、まさか生徒会までが、しかも生徒会長が秘密結社の陰の首領だったとは…
それでも諦めない男は一瞬の隙を逃さず校庭へ逃げ出す。地団駄踏みながら生徒会長が追ってくる。
あと少しで校庭の端の垣根の切れ目にたどり着くというところで夢から醒める。
自由連想法による夢分析・治療:
夢から醒めると無意識のうちに自由連想法のように次のような思考の連想を働かせていました。
トランプが飛んできたあたりから、いつの間にか男の視点に立っていた
そして男が校庭の端に走っていくシーンでは心底、男に助かって欲しいと願った
なぜなら夢の中の男の安否に、私の人生がかかっているような気がしたからだ
途中で夢から覚めてしまったので夢の結末は分からない
しかし残念な気はしない
何となく私には最後まで見なくても男が助かるような気がした
だから今はとても気分が良い
自由連想法による夢分析・治療からの洞察:
理想化自己対象に人生を託す心理を実感☆
夢の途中から私は完全に男に感情移入していました。そして男に自分の人生を託しているような気持ちになり、何としても助かって欲しいと願わずにはおけませんでした。
これまでコフートの自己心理学の理論の中で、理想化自己対象欲求の「理想化自己対象に自分の人生を託す」という説明がいまいちピンときませんでした。
私にとって理想化自己対象欲求とは憧れや模範であり、託すという感覚がどうしても理解できませんでした。
しかし今回の夢の中で私は男性に対して、まさに自分の人生を託していました。なぜなら男性に逃げ延びてもらえないと、自分の何かが失われてしまうと感じられたためです。
ですから必死の思いで男性の生存を願っていました。
今回の夢を通して私は初めて、コフートの自己心理学の理想化自己対象に自分の人生を託すという感覚を実感することができました☆
自己心理学の理想化自己対象 解説本