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現実逃避を助長しかねないナラティブセラピーと解決志向ブリーフセラピー-自由連想法による自己分析67回目

自由連想法による自己分析の内容(重要な連想のみ):

イヌイット ナラティブセラピー いじめから逃れて海外へ
親離れ 本当の意味での 社会的地位を得て結婚 今の私にないもの
いじめ=迫害空想
(「マッシュルーム君の摂食障害@ナラティブセラピー」を読み返す)
父親の孤独 生贄の儀式→父親以外の家族に頭を叩き潰される夢
書き換え後のナラティブ(ドミナントストーリー):躁的防衛
違う世界(職業)へ行けば自分は成功するに違いない
空想上の万能感
ナラティブセラピー:否認による躁的防衛によって万能感を強めてしまう恐れ

自由連想法による自己分析からの洞察:

躁的防衛に過ぎなかったナラティブセラピー

自由連想法の過程で以前に行ったナラティブセラピーマッシュルーム君の摂食障害@ナラティブセラピー)のことを思い出し改めて内容を見直してみたところ…
なんと以前は高揚感に包まれる素晴らしい体験をもたらしたはずのナラティブセラピーのプロセスが、今読み返せば否認による躁的防衛に過ぎないことが分かりました(@_@;)

ナラティブセラピーによる現実逃避

そのときのナラティブセラピーで行われていたのは、ストーリーの書き換え(ドミナントストーリーの作成)により「いじめ」の世界から逃避し、現実離れした力を発揮することで幸せを手に入れる…万能感に満ちた現実逃避でした…
これは治癒でも何でもなく、仕事で迫害的な不満を感じるたびに、自分の能力を万能感から過大評価し転職を繰り返してきた私の現実逃避的な生き方そのものを映し出していました。
いままでナラティブセラピーでは何ともいえない高揚感を感じ、そのことでナラティブセラピーは素晴らしいセラピーだと思ってきたのですが、今回の自己分析で完全に考えを改めました。
ナラティブセラピーによる安易な(ドミナント)ストーリーの書き換えは、高揚感による一時的な見かけ上の治癒をもたらすことがあっても、多くは否認による躁的防衛によって作り出された(幻想的な)万能感の産物に過ぎないものです。
そのため時が経てば一時的に無意識に追いやられていた現実の問題が再浮上し、元の苦痛に満ちた心理状態に戻ってしまいかねません。

解決志向ブリーフセラピーでも現実逃避を助長する可能性がある

このような弊害はナラティブセラピーに限らず、たとえば解決志向ブリーフセラピーのミラクルクエスチョン*でも現実逃避を助長してしまう可能性が考えられます。
ミラクルクエスチョンでは「もし奇跡が起きて寝ている間に問題が解決しているとしたら何をしたいですか?」と質問することでクライエントの自尊心を高める効果が期待できますが、反面安易に使われると万能感を刺激することにより、現実には実行不可能な解決策が導き出される恐れがあります。
個人的にはナラティブセラピーや解決志向ブリーフセラピーのミラクルクエスチョンは、自殺の危機回避や他のセラピーでは治療効果が得られない場合にはとても有効なセラピーだと思いますが、それ以外のケースでは現実逃避を助長する可能性を常に念頭において実施する必要があるように思えます。
ナラティブセラピー解説本リスト
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