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夢は無意識のパーソナリティ(性格)タイプを映す鏡-夢分析からの洞察の続きです。

夢は自己対象・対象関係を映す鏡:

前回のブログで夢の自我(夢の中の自分)には夢見手の無意識のパーソナリティ(性格)タイプが反映されている点を考察しましたが、一方夢の自我以外の登場人物は自分自身の夢分析からの印象では、夢見手の自己対象対象関係、つまり夢の自我の自尊心を支える心の中のイメージや主観的体験、ないし夢の登場人物に対する意識的・無意識的な印象や感情体験を表していることがあるようです。
たとえば私は自己愛的な性格ゆえか、子供の頃には常に過度に理想化する相手が存在していました。そして当時理想化していた人物が今でもときどき夢に出てくるのですが、当時と同じように理想化されたイメージを伴っていることがよくあります。
この場合夢に出てきたその人物は、夢の自我に対して理想化自己対象として機能していることになります。

自己対象・対象関係の視点を取り入れたゲシュタルト療法による夢分析

ゲシュタルト療法による夢分析では夢に登場する人物をすべて自分の性格のある部分の象徴として分析していきますが、今回の夢の考察に即して考えればここでの「性格のある部分」とは主に自己対象対象関係を示していると考えられます。
したがいまして夢分析にゲシュタルト療法の手法を用いるときには、夢の自我以外の登場人物の分析の際に、自分自身の心理だけに注意を向けるだけでなく、夢の登場人物に対して感じることにも注意を向けることで自己対象および対象関係に対する理解が深まるように思えます。
フロイトは『夢判断』『精神分析入門』などで夢の偽装について述べています。夢の登場人物はしばしば偽装されており、本当は別の人物を象徴していることがあるという理論です。そしてゲシュタルト療法でもフロイトのこの夢理論が引き継がれているようです。
しかし夢の他の登場人物が自己対象として機能、ないし対象関係を象徴している可能性を考えますと、最初から夢の偽装を疑ってかかるよりも、まずは夢の登場人物の自己対象や対象関係的側面を探求する方が夢分析をより実り多いものにすることができるように思えます。
対象関係論による対象関係ガイド本
『対象関係論を学ぶ―クライン派精神分析入門』が比較的分かりやすいと思います。
自己心理学による自己対象ガイド本
ゲシュタルト療法ガイド本
個人的には『実践・“受容的な”ゲシュタルト・セラピー―カウンセリングを学ぶ人のために』をお勧めいたします。

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