自尊心・自己肯定感の脆さと内的な自己対象の支配力の強さ-回避性パーソナリティ(抑うつ型自己愛性パーソナリティ)の自己分析・治療267回での自己洞察から、回避性パーソナリティ障害(抑うつ型自己愛性パーソナリティ障害)の方の心理について以下のような洞察を得ました。
回避性パーソナリティ障害(抑うつ型自己愛性パーソナリティ障害)の引き篭もり傾向:
回避性パーソナリティ(抑うつ型自己愛性パーソナリティ)の方は人間関係の傷つきを極度に恐れることから極力人間関係を回避しようと試み、その結果人間関係的にも物理的にも引き篭もりがちになります。
また回避性パーソナリティ障害(抑うつ型自己愛性パーソナリティ障害)とは、人間関係的・物理的な引き篭もり状態が社会生活に重大な支障をきたしてしまうまで重症化した精神疾患といえます。
ところが人間関係の傷つきを恐れて人間関係的・物理的に引き篭もったとしても、そこは(先のブログでの私の体験に見られるように)安全を保障する楽園の地ではありませんでした…
回避性パーソナリティ障害(抑うつ型自己愛性パーソナリティ障害)の対象関係(空想)上の迫害による自尊心の傷つき:
たとえ回避性パーソナリティ障害(抑うつ型自己愛性パーソナリティ障害)の方が人間関係的・物理的に完全に引き篭もり、人間関係における自尊心を傷つけられるような他人の言葉や態度を完璧に排除することができたとしても…そこには内的な対象関係(空想)という、いわば心の中の人間関係が待ち受けています…
そしてこれまでの心理カウンセリングや回避性パーソナリティ(抑うつ型自己愛性パーソナリティ)傾向の強い私自身の自己分析から察するに、回避性パーソナリティ障害(抑うつ型自己愛性パーソナリティ障害)の方の内的な対象関係(空想)は、その多くが非常に迫害的な内容に満ちているものと推測されます。
つまり回避性パーソナリティ障害(抑うつ型自己愛性パーソナリティ障害)の方の恐れる自尊心が傷つけられる体験は、現実の他人との人間関係のみならず、空想上の他人(自己対象)からの迫害的な言葉や態度によっても生じると考えられます。
投影の防衛機制による回避性パーソナリティ障害(抑うつ型自己愛性パーソナリティ障害)の妄想的な迫害不安:
さらに回避性パーソナリティ障害(抑うつ型自己愛性パーソナリティ障害)の方に限らず、人間には自らの準拠枠(好みや価値観など)に照らして物事を判断する傾向が強く、つまり「自分がこうだから相手もそうだろう」と思い込む傾向が強くあります。
そのため回避性パーソナリティ障害(抑うつ型自己愛性パーソナリティ障害)の方の迫害的な自己対象は容易に他人に対して投影され、その結果妄想的な迫害不安が生じ対人恐怖症的な症状をさらに悪化させるという悪循環が起こることが予想されます。
回避性パーソナリティ障害(抑うつ型自己愛性パーソナリティ障害)の治療の重点は内面の迫害的な自己対象:
以上のことから回避性パーソナリティ障害(抑うつ型自己愛性パーソナリティ障害)の治療に際しては、空想上の迫害的な自己対象が存在する可能性を念頭に入れることが、回避性パーソナリティ障害(抑うつ型自己愛性パーソナリティ障害)の方の対人恐怖症的な不安や恐怖を軽減させるために役立つものと考えられます。
迫害不安の心理 心理学的分析本
回避性パーソナリティ障害(抑うつ型自己愛性パーソナリティ障害)の症状・治療・原因 心理学的解説本