このブログには以前に集中して行った300回以上にわたる自己分析の内容を中心に掲載しています。
当時は精神分析の自由連想法を用いた自己分析が自分にとってとても役立つものと確信していましたが、一方リスクに関してはほとんど無知でした。
そのため自己分析を無造作に重ねるうちに、かなり危機的な状況に陥る羽目になりました。
自由連想法の作用
当時は無意識を意識化する程度の知識しかありませんのでまったく自覚していませんでしたが、自由連想法がもたらす作用は防衛機制が弱くなることによる無意識の意識化です。
つまり普段は意識化されると心にダメージをもたらすような深刻なエピソードやそれに伴う辛い感情を意識から切り離し心を守っている防衛機制という心の働きを敢えて弱くすることで、無意識化されていた内容を意識に上らせることが目的です。
一時的にせよ心の健康状態を悪化させることを意図している自由連想法
だと致しますと自由連想法による自己分析を重ねれば重ねるほど理屈の上では心がどんどん辛いエピソードやそれに伴う感情に晒され脆弱になる、より具体的には病態水準と呼ばれる心の健康度がどんどん悪化して行くことになり、実際私もそのような経過をたどりました。
最悪の状態の時は統合失調症の自己分析・治療の各ブログに書かれているとおり、それは想像を絶するものでした。
精神分析で退行と呼ばれる現象です。
このように私が当時自己分析に用いた自由連想法という技法は、リスクを何も考慮せずに無邪気に行うと、やがて深刻な事態をもたらしかねない大変危険な技法と言えます。
今回はあくまで自己分析に自由連想法を用いた場合の話で、実際創始者のフロイトをはじめとした精神分析家が治療に用いた自由連想法では、当然ながら様々な対応策がとられ、だからこそ治療的な作用が期待できます。
次回はこの対応策の部分について書かせていただく予定です。
追伸)今回の内容からでは、このブログで紹介している自由連想法を用いた自己分析が、効果の期待できない単に危険なものと思われかねませんので若干補足させていただきます。
確かに何も対策を講じることなく無意識の心の内容をどんどん意識化すれば、今回の内容のような事態に陥ってしまいます。
そのため何らかの対策を講じる必要がありますが、それには次回掲載予定の精神分析家が行っている工夫が非常に参考になります。
ですから自己分析に自由連想法を用いる際のリスクへの対応策は、その次の回に書かせていただく予定です。
自己分析/K.ホーナイ
精神分析家のカレン・ホーナイによる自己分析の解説本です。
私の知る限り、自由連想法を用いた自己分析について解説された唯一の本だと思います。
自由連想法の自己分析への用い方だけでなく注意点も書かれており、私もこの本を読んでから始めたはずなのですが、恐らくちゃんと理解していなかったのでしょうね…