うつと不安の認知療法自習帳-うつ状態・不安の否定的な自動思考

「うつと不安の認知療法自習帳」は100ページちょっとの薄い本ですが、不安や(うつ病も含めた)うつ状態で苦しんでいる人が認知療法という心理療法(カウンセリング)を用いて不安・うつ状態を克服するための方法が非常に分かりやすく述べられています。
そのためか「うつと不安の認知療法自習帳」は心理療法(カウンセリング)の本としては異例の10万部を超えるベストセラーとなっているようです☆

うつ状態の否定的な自動思考:

認知療法の本を何冊も書かれていらっしゃる大野裕さんの『うつと不安の認知療法自習帳』という本によれば、人はストレスがたまってうつ状態になっているときには次のような否定的な自動思考(無意識に頭をよぎる思考)に陥っているそうです。

自己否定的な自動思考

「自分は何をやっても駄目な人間」
「自分は何の能力もない人間」
「自分は何の役にも立たない人間」
「自分は何の価値もない人間」など

周囲(環境)に対する否定的な自動思考

「誰も自分のような価値のない人間と関わりたいと思わないに違いない」
「自分は人から嫌われているに違いない」
「誰も自分のような人間は助けてくれないに違いない」など

将来(未来)に対する否定的な自動思考

「この困った状況は変えられない(変わらない)に違いない」
「この辛さは一生続くに違いない」など

不安にも当てはまる否定的な自動思考:

このような うつ状態での否定的な自動思考は不安障害の症状をはじめとした不安なときの心理状態にもそのまま当てはまるような気がします。
たとえば私が何かの不安に駆られているとき、私の心の中では「この不安な状態がこのまま一生続くに違いない」との将来(未来)に対する否定的な自動思考が働き、またその一生続くに違いない不安な状況に対して「自分は耐えられないに違いない」との自己否定的な自動思考が同時に働いています。
もう一つの周囲(環境)に対する否定的な自動思考についてはあまり自覚されることはないのですが、これについては以前にスーパーバイザー(心理カウンセリングの指導・助言を受ける人)から「あなたは何でも一人で解決しようとする癖がある」旨のことを言われたことがありますので、これも裏を返せば周囲の人の助けを期待していないという意味で、周囲(環境)に対する否定的な自動思考と言えなくもありません。

認知療法による自動思考の修正と不安・うつ状態の克服:

このような不安・うつ状態で生じる否定的な自動思考は、無意識に働いてますます不安・うつ状態を悪化させることが多いため「うつと不安の認知療法自習帳」では認知療法という心理療法(カウンセリング)を用いて、まず不安・うつ状態で無意識に働いている否定的な自動思考を「自覚」し、その否定的な自動思考の妥当性(本当にそうなのか)を検証し、より建設的な思考へと変えていくことで不安・うつ状態を克服する方法が分かりやすく述べられています。

大野裕著『こころが晴れるノート:うつと不安の認知療法自習帳』、創元社、2003年
「うつと不安の認知療法自習帳」は100ページちょっとの薄い本ですが、不安や(うつ病も含めた)うつ状態で苦しんでいる人が認知療法という心理療法(カウンセリング)を用いて不安・うつ状態を克服するための方法が非常に分かりやすく述べられています。
そのためか「うつと不安の認知療法自習帳」は心理療法(カウンセリング)の本としては異例の10万部を超えるベストセラーとなっているようです。
もちろん認知療法の解説本の中で最も売れている本です☆

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