自己分析のテーマとした感情:
強すぎる冷房への不満と怒り
自由連想法による自己分析の内容(重要な連想のみ):
冷房が効きすぎて寒い
体中が硬直して痛い感じ
何で寒くなるまで冷房効かせなきゃならないんだ
きっと嫌がらせに違いない
私が冷え性だと知って
ということは…自分が冷え性だということを言わなくても他人が知っていると空想
知っていて当然、配慮されて当然、客なんだから、病人なんだから
辛いときは労わって欲しい、ケアして欲しい
しかし実際はその願いが叶えられない
自分がこんなに苦しいというのに
なんて薄情なんだ!←怒り
こんなに苦しんでいるのに誰も助けてくれない
孤独
笑い者
そうか、せせら笑ってるんだ、きっと
私が苦しんでいるのが楽しいに違いない、面白いに違いない
おかしくてたまらないに違いない、腹を抱えて笑っているに違いない
そうでなければ無視するはずがない
自由連想法による自己分析からの洞察:
自己愛性人格障害的怒り
自己分析により、強すぎる冷房への不満と怒りの背後には自己愛性人格障害の特徴とされる「自分は特別に配慮されて当然」との心理が働いていたことが洞察されました。
また、その「配慮されて当然」との心理は、自己愛性人格障害のみならず自己愛障害に共通して見られる「自他の心理的境界の曖昧さ」から生じていることが分かりました。
自己愛性人格障害への誤解
このように「配慮されて当然」との一見尊大に思える心理は「自他の心理的境界の曖昧さ」という自己愛的な障害から生じており、決して生まれながらの尊大な性格のためではありません。
しかし一般的に自己愛性人格障害に対しては、その(表面的な)尊大さばかりに焦点が当てられて、結果的に「尊大な性格」との評価が与えられているような気がしてなりません。
抑うつ型自己愛性人格と誇大型(無関心型)自己愛性人格
ところで私の場合は「配慮されて当然」と思いながらも、配慮されないことに対する怒りを表現することなく、その代わりに迫害的な空想を無意識で展開しています。
私のように途中までは自己愛性人格障害と同じような心理的プロセスをたどりながらも、結果的に表出される態度が自己愛性人格障害とは大きく異なる場合があるのです。
このような人格タイプは典型的な自己愛性人格と区別する意味で抑うつ型自己愛性人格と呼ばれる場合があり、その場合典型的な自己愛性人格の方は、誇大型自己愛性人格あるいは無関心型自己愛性人格と呼ばれます。
今回の自己分析で、強すぎる冷房という一見「腹を立てて当然」と思える出来事にも、個人の内面ではいろいろと(自己愛障害的な)複雑な心理が働いていることを知りました。
自己愛性人格障害 治療ガイド