自己分析のテーマとした症状:
母親の理想化と共感不全-ゲシュタルト療法によるインナーチャイルドの癒し169回の後に生じた抑うつ・虚無感
自由連想法による自己分析・自己治療(重要な連想のみ):
インナーチャイルドに共感的に接したのに(インナーチャイルドの立場からは共感的に理解してもらえたのに)何で抑うつや虚無感に襲われるのだろう?
静か…心の中が静か…
頭の中のおしゃべり(空想)が減っている、それも大幅に
もしかしたら空想が減って静かになった心の状態を抑うつ・虚無感と錯覚していた?
自由連想法による自己分析・自己治療からの洞察:
安らぎを抑うつ・虚無感と錯覚
自己分析してみるまで分かりませんでしたが、本来でしたら「安らぎ」「平穏」などと感じられるはずの心理状態を私は抑うつ・虚無感と錯覚していたようです。
これは今までいかに心の中を空想が飛び交う状態、つまり躁状態に慣れきっていたかを示しています。
抑うつ・虚無感を防衛するための空想癖
思えば私は幼い頃から空想癖のある子供でした。そしてその空想癖をどちらかといえば現実認知に悪影響を及ぼす有害なものと考えてきました。
ところが上述の「空想が消滅した状態を抑うつ・虚無感と錯覚し恐れる」心理からいたしますと、(錯覚とはいえ)空想癖は抑うつ・虚無感の防衛に役立っていたと考えられます。
また空想には、これまで幾度となく自己分析で洞察されてきた支配的な母親イメージ(自我心理学用語では過酷な超自我)からの迫害不安も含まれますので、迫害不安に怯えることさえもが抑うつ・虚無感の防衛と考えることもできます。
抑うつ・虚無感への治療:
しかしその抑うつ・虚無感は錯覚に過ぎなく、本来心地よく感じられるはずのものです。
したがって私の症状に必要な治療は(偽りの)抑うつ・虚無感を感じても、いつもの空想癖により心を躁状態で満たすことなく、本来感じるはずの「心地よさ」を繰り返し感じることによる慣れでしょう。
抑うつ・虚無感を防衛するための空想癖と躁うつ病:
最後に抑うつ・虚無感を防衛するための空想癖はNHK『クローズアップ現代』特集「“新しい”うつ病とどう向き合うか」で放送されていた非定型うつ病・双極性障害(躁うつ病)Ⅱ型とも関係があるようなに思えます(2008年6月19日放送)。
番組でも精神科医から問題視されていましたが、クライエント(患者)さんはうつ状態には違和感を感じて直ぐ気づいても躁状態(過剰な高揚感に駆られたハイな状態)に気づくことは難しいため、非定型うつ病・双極性障害(躁うつ病)など躁状態を伴う うつ病が見逃されやすいそうです。
(私見ですが)非定型うつ病・双極性障害(躁うつ病)の人々の中にも、不快な抑うつ状態の防衛手段として躁状態に駆られる心理が働いているような気がします。
双極性障害(躁うつ病)治療ガイド本