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支配-服従的な養育態度による理不尽な罪悪感・譲歩と怒り-自由連想法による自己分析・治療261回の翌日、この自己分析で取り上げた出来事(クライエントからの一方的で理不尽な非難)に類似した内容の夢を見ました。

夢の内容:

取引先のS社長に同行し客先でパソコンメンテナンスの仕事をしている。あることで社長から非難されるが、私には社長の勘違いのように思えたため、自分には非がないことを必死に説明したところ何とか分かってもらえ謝罪される。

夢から醒めたときの感情:

社長を無理矢理やり込めてしまったようで、後ろめたさ(罪悪感)を感じずにはいられませんでした。
そのためか気分が落ち込み(抑うつ状態)食欲もありません(食欲不振)。

自由連想法による夢分析からの洞察:

夢を見た直後は前日の自己分析と同じようなテーマの夢を見たことで、前日の自己分析の解釈が間違いなのではないかと思いましたが、簡単に自由連想法を行いますとそれとは別の解釈が浮かんできました。

現実とは別の展開を示した夢の内容

一見「クライエントからの非難」という同一のテーマのように見える夢も、よく調べてみますと結末が違っていました。
現実の出来事では私に非がないことが明らかになった後でも、クライエントの態度に「悪いことをした」という印象が感じられなかったため激しい怒りが生じました。しかし夢ではクライエントから謝罪を受けています。
したがって今回の夢は現実の出来事とは別の展開「もしあのときクライエントから謝罪されるとどうなっていたのか」を示す内容となっています。

晴れることのない気分…

そして興味深いのは、その別の展開に対する私の反応です。現実の出来事ではクライエントの何ら罪悪感を感じられない態度に対して激しい怒りを感じたわけですが、夢に見られるようにいざクライエントから謝罪(罪悪感の表明)を受けると、今度はクライエントをやり込めてしまったように感じ罪悪感に苛まれてしまっています。
つまりクライエントの態度がどちらに転んでも、私の気分が晴れることは決してないのです(T_T)

最後は自己嫌悪や自己懲罰的な空想に行き着く

具体的には相手の方の態度に罪悪感が感じられなければ、激しい怒りがどんどん増幅し頭の中は怒りや憎しみの空想で一杯になり、その結果終始イライラした気分や集中力の低下・胃痛・不眠症(睡眠障害)などに悩まされます。
さらに相手の方を延々と恨み続けることで、やがて自分がとても酷い人間に思えてきて自己嫌悪自己懲罰的な空想にも苦められることになります。
そうかといって相手の方から謝罪を受けますと、今度は自分が「不当に」相手の方をやり込めてしまったのではないかと罪悪感に苛まれ、やはり激しい自己嫌悪自己懲罰的な空想に悩まされることになります。

自己嫌悪や自己懲罰的な空想と抑うつ状態の慢性化

結局人間関係でトラブルに陥ったときは相手の方の態度に関わらず、最後は必ず自己嫌悪自己懲罰的な空想に悩まされることになるようです。
こうして人間関係のトラブルを体験するたびに自己嫌悪や自己懲罰的な空想が生じ、それらが半ば慢性化することで、抑うつ状態(気分が落ち込んだり漠然とした不安に駆られたりする状態)の慢性化が引き起こされるのだと考えられます。
自己嫌悪の心理 心理学的分析本

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