自己分析のテーマとした症状：
スターバックスでの隣に女性が座ることへの女性恐怖症的症状（息が詰まるような緊迫感）
自由連想法による自己分析・自己治療：
もう何度目だろう？女性恐怖症の自己分析…
息が詰まるような緊迫感？
緊張ではなく緊迫感、もっと切迫した恐怖なのだろう
何か試されているような気がする
私のことなど気にも留めていないように見える女性から、暗に何か試されているような気がしてならない
試される…テスト？
（子供の頃にタイムスリップ？）
部屋に私と母親がいる
押し黙ったままの母親…緊迫した空気を感じる
緊迫した空気を変えるために何かしなければならない
しかし、その「何か」が分からない…だからどうしたらいいのか分からない…
母親のイライラした気持ちを感じ取る
早く何とかしなければ（@_@;）
しかし気持ちばかりが焦って、何をしていいのか分からない
早く何とかしないと叱られる…ますます焦りが（@_@;）
頭がおかしくなりそう、パニックになりそう
この場から逃げ出したい衝動に駆られそう
（私を見ずに低く押し殺した声で）「出て行け…」と言われそうな気がする
（あらぬ方向を見ながら）「出て行きたくなかったら何とかしろ、この出来損ないが…」
あっ、違う…私に言ってるんじゃない
視線が定まってない…自分の世界に閉じこもってる感じ
もしかしたら私がそこにいることにさえ気づいていないのかもしれない
それに言葉を発した後に「ニタッ」と笑ってる
何が面白いんだろう？
いや違う…口はニタッと笑ってるけど、目が据わってる、怒りに満ちてる
笑ってるんじゃなくて、ホントは怒ってるんだ
怒っちゃ駄目だと思って、ニタッと笑って誤魔化してるんだ
必死に怒らないようにしてるんだ、ボクのためを思って
ホントは頭にきてぶん殴りたいと思ってるけど、殴っちゃいけない、怒っちゃいけない、そう思って必死に笑ってるんだ
ボクのために我慢させちゃってるんだ
そう思うと、隣の女性が表面的には何もしていないことを知ることが、恐怖を感じることに対して何の役にも立たないことが分かる
その女性が表面上は怒っていないように見えても、それは女性の気遣いからであり、本当は怒りに満ち満ちているのに無理して無関心を装っているに過ぎないのだから
つまりは私がその女性に対して無理を強いているのだ
なんて迷惑な奴だ、なんて酷い奴だ、薄情な奴だ
血も涙もない悪魔だ
きっと私のような奴が女性を、いや世界を不幸に陥れるのだろう
私ほど女性に苦痛や不快感を与える人間はいない
そばにいるだけで不快感を与え、なおかつそれを表に出さないように気を遣わせるのだから
しかも自分のしている悪行に気づきさえしないのだから
まったくいい加減な奴だ、人間の屑だ
自己分析を始めたときと比べて、ますます隣の女性が怖くなってきた
こんなことをしていて、ただでは済まされないに決まってる
今にきっと報復されるに違いない、それだけの酷いことをしているのだから
もしかしたら中学のときの下級生の女子からの「いじめ」も、私が気づいていない悪行に対する彼女たちの当然の報復だったのではないか？
自分の悪行に気づかず、勝手に被害妄想に駆られていただけなのではないか？
私はそばにいるだけで相手の女性を不快にさせてしまう…それなのに、よく今まで生き延びてきたものだ、いつ殺されても仕方がないのに
きっと世の中の女性は寛容な方ばかりなのだろう
女性は女神だ、素晴らしい
自由連想法による自己分析・自己治療からの洞察：
加害妄想への罪悪感・被害妄想としての女性恐怖症
女性恐怖症的症状に対する自由連想法による自己分析・自己治療から、女性に対する加害妄想、具体的には「そばにいるだけで女性を不快にさせるだけでなく、その不快感を顔に出さないように気を使わせている」との加害妄想の心理が洞察され、さらにそのように気遣いを強いることへの罪悪感や、加害妄想に対して報復される恐怖（被害妄想）の心理も洞察されました。
なお、いずれの妄想・罪悪感とも無意識の空想であるため、女性恐怖症的な恐怖症状として自覚されているのは漠然とした不安や恐怖に過ぎません。
女性恐怖症の治療・自己治療への考察：
また自由連想法に表れたように「隣に座る女性は現実には何も危害を加えていない」という現実検討も「女性の気遣い」と解釈されてしまい女性恐怖症の治療にまったく役立っていません。
女性恐怖症に対する認知行動慮法の限界
一般的に恐怖症の治療に用いる心理療法としては、行動療法あるいは認知行動療法が有効とされていますが、今回の女性恐怖症のケースの場合、現実検討により歪んだ自動思考（無意識の信念）を正すという認知行動療法的なアプローチ（リフレーミング）では治療効果は望めません。
むしろ、さらなる無意識の深層心理を探る精神分析的アプローチの方が治療効果が望めるようです。
精神分析による恐怖症治療ガイド本