自己分析のきっかけとなった出来事：
過去の未解決な心理的問題の反復による女性恐怖症-自由連想法による自己分析・治療233回の翌日、興味深い出来事というより心理状態に遭遇しました。
新宿ベルクで満席のため立って食事をしていると親切なおばあさんが「良かったらどうぞ。何だか立って食べたくなったわ」と席を譲ってくれました。
最初は親切心に感謝したのですが、そのうち罪悪感のようなものを感じ始めました。そして簡単に自由連想法により自己分析してみると、次のような無意識の心理が浮かび上がってきました。
自由連想法による自己分析・自己治療：
もしかしたら私は、さも立っているのが辛いかのような大げさな仕草をして、おばあさんに無理やり席を譲らせてしまったのではないか？
こうやって常日頃から私は、巧妙に罪のない人々を苦しみに追いやり、自分はその人の僅かばかりの幸福さえ奪い取って、のうのうと生きているのでないか？
自覚がなければ何をしても良いと思って
自由連想法による自己分析・自己治療からの洞察：
自己愛障害の心理
自由連想法で現れた無意識の心理は自己愛障害に典型的に見られる「相手の態度や行為をすべて自分の態度や行動に対する反応」と解釈する心理、つまりすべての出来事を「自分がこうしたから相手がそう反応した」と思い込む心理です。
自己愛障害の心理を原因とした女性に監視・凝視される女性恐怖症
この自己愛障害の心理に気づいた途端、隣に座っている女性に対して「その女性の様子がすべて自分に対する反応」である心理状態をリアルに感じ始めました。それはとてつもない恐怖の感覚でした…
その女性はもちろん私に危害を加えてくるわけではありません。それにもかかわらずその女性に対して恐怖を感じずには置けません。それは監視あるいは凝視されている恐怖でした（@_@;）
こうして私はこれまでの女性恐怖症の自己分析で考察された「隣に座る女性から凝視され監視されているような恐怖」の原因が自己愛障害の心理であることを知るに至りました。
私に反応するためには私を常に監視していなければならないことになります。その思い込みが、隣に座る女性から私に知られないような魔術的な方法で監視されている恐怖を生み出していたのです。
症状の受容による女性恐怖症克服
隣に座る女性から（魔術的な方法で）監視・凝視されている恐怖をリアルに感じた瞬間、直感的にこの女性恐怖症の症状の完治は無理だと思えました。
なぜなら自己愛障害の「相手の態度を何でも自分に対する反応と思ってしまう」心理は意図的に感じるものではなく無意識に感じてしまうものであり、したがって意識でコントロールできるものではない（感じなくなることは無理）と思えたからです。
この良くいえば症状の受容、悪くいえば諦め・絶望の心理は、一時的に恐怖心を増加させ抑うつ状態を招きましたが、不思議なことに5分も経つと気分が急に落ち着き恐怖心が大幅に軽減していました。
さらに驚いたことに店を出てからは、これまで感じたことのないような心理的な力強さのようなものさえ感じていました。
その後、道行く見ず知らずの女性と視線が合ったりしても、これまでのように恐怖に圧倒されるのではなく、女性に対して「気にはなりつつも」女性恐怖症と呼ぶほどの恐怖は感じなくなりました。
ただ隣に座る女性への女性恐怖症的症状はさほど軽減していません（T_T）
このような女性恐怖症克服とまでは行かないまでも症状の大幅な軽減は、女性恐怖症の症状の受容による効果が大きいと思われます。
関連ブログ：不安障害の症状は脳の条件反射
無意識の恐怖心理の意識化による女性恐怖症の治療
したがって女性恐怖症の治療として、自由連想法などで女性恐怖症の原因となっている無意識の心理（思い込み・信念など）を意識化し、できればその心理を受容することは非常に効果的な治療法と考えられます。
また今回の女性恐怖症の症状への洞察を契機に、視線恐怖症・自己視線恐怖症・脇見視線恐怖症など他の対人恐怖症の症状に関しても、自己愛障害がもたらす心理が原因としてはたらいていることが明らかとなりました。
P.S. その後、自由連想法による自己分析やインナーチャイルドの癒しに繋がるような心理的ワーク、具合的にはゲシュタルト療法というイメージ療法の技法を使って悩みを抱える心の部分に対して、もう一人の自分がひたすら傾聴し続ける（受容的に話を聞き続ける）ことで辛い気持ちを受け止める心理的ワークを続けた結果、いつしか隣に女性が座っていても（文字通りの意味で）一切気にならなくなりました。
手前味噌で恐縮ですが、現在私は心理カウンセラーとしてこれらの心理的ワークの技法を身につけるための個人レッスンおよびセミナーを行っています。
ご興味のある方はご覧になってみてください。
グループでのご参加もお待ちしております。
※あくまで私見ですが、特に後者のインナーチャイルドの癒しの心理的ワークは自己愛性パーソナリティ障害（自己愛性パーソナリティ障害）の方をはじめとして、自己愛（自尊心）に関する問題で苦しまれていらっしゃる方の症状軽減に高い効果が期待できると思われます。
自由連想法による自己分析の方も自己愛障害に対して効果が全く期待できないわけではありませんが、これまでの自己愛性パーソナリティ障害（自己愛性パーソナリティ障害）や自己愛障害の方に受けていただいた自己分析のレッスンからの印象では、他の精神疾患の方に比べて自由連想の内容が感情を伴わず洞察が深まらなかったり、深い自己洞察が得られるまでに時間がかかる傾向が見受けられました。
その点、インナーチャイルドの癒しのレッスンの方は自己愛性パーソナリティ障害（自己愛性パーソナリティ障害）や自己愛障害の方に受けていただいても、効果が得られた場合には自己分析のレッスンに比べて遥かに即効性がありました。
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