夢の内容：
何かのイベントの後片付けをしている。他のメンバーはテキパキと作業しているが、私は勝手が分からず間誤付くだけ…
学園祭の帰り道、メンバーの女性の一人が腕に手を回してくる。たしか彼女は別の男性と付き合っているはず…
「あれ、こんなことしていいの？」
「いいの、いいの」
そのまま、いろいろと話をしながら帰る。
夢から醒めたときの思考：
寝る前に昔仲の良かった女性Oさんのことを思い出したことが、夢と関連しているような気がする。
ただ面影は週末によく行くカフェの店員さんに似ていたような気が…
自由連想法による夢分析・自己治療（重要な連想のみ）：
何かのイベント
Oさんの男友達の一人でジュエリーデザイナーや作家をしている方が音頭をとって、絵本を出版しようという話が持ち上がり、吉祥寺で打ち合わせをした
しかし彼が一方的に話を進めるだけで、他のメンバーの方は話に付いていけず、絵本の話はあえなく立ち消えに…
その後、彼に誘われて一度食事をしたことがある
そのときも「Oさんの働いているお店のディスプレイのアイディアを相談しよう」と持ちかけられた
しかし（当時は気づかなかったが）いくらデザイナー同士（私はグラフィックデザイナー）だからってジャンルが違う
それなのに店長のOさんのセンスにあれこれと口を出しダメ出しするなんて失礼な話だ
結局彼には徹夜で話に付き合わされた…
当時の私以上に自己愛の強い、もっといえば自己愛性パーソナリティ障害に近い人だった
もっとも私も他人のことを言える立場ではない
写真にはまっていた当時、プロの写真家の知人に生意気にもアドバイスをして「そんなこと○○さんに言われたくない」と叱られたことがある…
Oさんも自己愛の強い女性だったことに後から気づかされた
アロマテラピーやカラーセラピーの仕事をしていたので、てっきりその道を進むかと思っていたら、あっさりと辞めてしまった
それに私から見れば多趣味な人なのに「やりたいことが見つからない」と漏らしていた
当時の私は、自身が自己愛が強い人間（自己愛人間）であるだけでなく、同じような自己愛人間に囲まれていたんだ
でも正直楽しかった…夢から醒めて挫折するまでは…
自由連想法による夢分析・自己治療からの洞察：
自己愛の強い人間の集まりだった
夢分析の結果、自己愛の強かった若い頃の記憶が次々と思い出されました。
当時の私は、自身が自己愛人間と呼べるような自己愛の強い人間であっただけでなく、同じように自己愛の強い（中には私より自己愛の強い）人々に囲まれており、日々お互いに夢のような話ばかりして盛り上がっていました。
しかし少なくても私の場合、当時夢見ていたことのどれ一つとして実現していません…
自己愛の強い人々の集まりは、それはそれは楽しいものです。お互いに（自己愛がさほど強くない人からは誇大妄想と映る）およそ実現不可能と思える夢を次々と語り合うことで高揚感に満たされます。
これは理想的な未来を思い描くことで現実に直面している心理的苦痛から目を逸らすことができ、相手が同意してくれることで鏡映自己対象欲求が満たされますし、また相手の方の壮大な夢を聞くことで自分もそれに乗りかかって一緒に高みに上れるような気分になれ理想化自己対象欲求が満たされるためです。
自己対象なしでは生きられない自己愛の強い人々
自己対象欲求はそれ自体、心理的に健康な生活を営む上で誰にとっても必要なものです。
しかし自己愛性パーソナリティ障害・回避性パーソナリティ障害（抑うつ型自己愛性パーソナリティ障害）をはじめとした自己愛の強い（自己愛に障害を抱える）人は「それなしでは一瞬たりとも耐えられない」かのような、抑うつ状態（気分が落ち込んだ状態）に対する極度の脆弱性を抱えているところに問題があります。
お互いに自己愛を支え合う楽しい誇大妄想の世界
そのため上述のように自己愛の強い人々は、お互いに気を使い自己対象機能を果たすことで積極的に自己愛を支え合います。自己愛の強くない人の見せる「話についていけない」「当惑」する態度から心理的苦痛を味わうことも滅多にありません。
それは自己愛の強い人（自己愛人間）にとって夢のような楽しい世界です。どこまでも（空想の中で）理想的な未来を追い求めることが許されるばかりでなく「あなたならきっとできる」と理想を共有しその実現を保障してくれさえします。
こうして自己愛の強い人々の集まりは、お互いに楽しい誇大妄想を共有し合うことで、まるでバベルの塔を築くかのごとく際限なく理想を膨らませていきます。
現実（外の世界）は理想とは違うことに気づかされ（幻想から醒め）、心にポッカリと穴が開く（虚無感などの抑うつ状態に襲われる）までは…
自己愛性パーソナリティ障害・自己愛障害の治療・心理学的分析本