夢の内容:
学校に行っている。4時間目の授業は社会科だ。もう始業時間を過ぎている。急いで荷物をまとめ学校を出る。2本のペンが見つからない。
女性教師の泊まっていた部屋に辿り着く。電気を消されてしまい、また自分で付ける。
自由連想法による夢分析・自己治療:
女性教師…なぜか以前に通っていたパソコンスクールの女性講師のことを思い出す
綺麗で親切な先生だった
講義の初日、ガチガチに緊張し、ドッと疲れが出た
その様子を気にかけてくれた先生
翌日、その先生が学校長と何か話をしている
何となく、その先生が辞めてしまうような予感がした
見事、予感は的中
嫌な予感ほど的中する
楽しいことは長く続かない、やがて必ずダメになる、終わりが来るに決まっている
人生とは最後は上手くいかないようにできている
もしかしたら楽しい思いをしたから、ガッカリするような出来事が起こった?
楽しい思いさえしなければ、ガッカリするような出来事も起こらなかった?
以前の自己分析では、見えない所にいる神様のような存在が「自分を嫌な気持ちにさせるために」そのような出来事を引き起こすことが洞察された
だとすると自分が楽しい思いをしたばかりに神様を怒らせてしまったのか…
(夢の別の象徴に目を向ける)
電気を消されてしまい、また自分で付ける
存在感の無さを連想させる
幽霊のような存在
いてもいなくても一緒
また自分で付ける…これは拙い…
生意気に自己主張などしたら神様を怒らせてしまう
極力、存在感を消さねば
できるだけ自分を消さねば
最初からこの世に存在していないかのように振舞わねば
人畜無害だと思わせなければ
いや、いっそ本当に消えてしまった方が世のため人のため、社会貢献かもしれない
どうせ自分など生きていても仕方のない人間なのだから
大して社会的価値の無い人間なのだから
死んでお詫びするしかないのだから…
自由連想法による夢分析・自己治療からの洞察:
加害妄想的な心理
自由連想法による夢分析の結果、これまでの自己分析で得られた被害妄想的な心理とは異なる「自分が楽しい思いをすることで相手(神様のような存在)を怒らせてしまった」とする、非現実的で加害妄想的な無意識の心理の存在が明らかとなりました。私のこのような加害妄想的な心理は精神分析ではネガティブ(否定的)な万能感と呼ばれます。
ネガティブな万能感によるマイナス思考・悲観主義
万能感とは防衛機制の一つで一般的には、幼児的万能感と呼ばれるような「何でも自分の思い通りになる」と錯覚する心理を指すことが多いようですが*、万能感にはその真逆の「何もかもが自分の思い通りにならないように世の中ができている」と思い込むような心理状態もあります。
(あくまで私見ですが)この無意識のネガティブな万能感が、俗にマイナス思考や悲観主義と呼ばれる「物事を何でもネガティブな方向に考える(実際には想像する)」心理の原因の一つとなっていると思われます。
つまり主観的に感じられるマイナス思考や悲観主義の底には、ネガティブな万能感の働きにより「知らず知らずのうちに相手に危害や不快感を与えてしまい(加害妄想)、自分で自分の人生をメチャメチャにしてしまうに違いない(自虐的妄想)。だから何をやっても上手くいかないに決まっている。」というような無意識の信念が存在している可能性があると考えられます。
*幼児的万能感はすぐに「わがままで尊大な態度」として表れるため認知されやすいことが、広く知られている要因と思われます。
ネガティブな万能感による被害妄想
またネガティブな万能感に支配されていたとしても、より軽微の場合には加害妄想の心理があまり強く働かず、したがってマイナス思考や悲観主義のよる慢性的な抑うつ状態に陥ることもないため、むしろ幼児的万能感の作用による被害妄想的な心理の方が強く意識されると考えられます。
これは万能感が自己愛障害から生じると考えられることから、程度の差はあれ幼児的万能感とネガティブな万能感の両方の心理が作用していると推測されるためです。
ネガティブな万能感による重度の抑うつ・罪悪感・うつ病・自殺願望
次に自由連想法の最後の「いや、いっそ本当に消えてしまった方が世のため人のため、社会貢献かもしれない」から「死んでお詫びするしかないのだから」の部分は、うつ病や他の精神障害の方が重度の抑うつ状態に陥ったときに生じる過剰な罪悪感や自殺願望と、どこか共通しているように思えます。
このことはネガティブな万能感がマイナス思考や悲観主義のよる慢性的な抑うつ状態を作り出し、それがやがては うつ病に至るまで重症化し、過剰な罪悪感や自殺願望をも引き起こす可能性があることを示唆していると考えられます。
マイナス思考・悲観主義・ネガティブ思考 心理学的分析本
万能感 心理学的分析本