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抑うつ型自己愛性パーソナリティ(障害)に潜む罪悪感からの自殺衝動と人の役に立ちたい気持ち-自由連想法による自己分析・治療 目次:

自由連想法による自己分析・自己治療
自由連想法による自己分析・自己治療からの洞察
抑うつ型自己愛性パーソナリティ(障害)に潜む罪悪感からの自殺衝動
人の役に立ちたい強い気持ち
罪悪感と自尊心の低下をもたらした幼少期の外傷的な体験の繰り返し
危機的状況への対処を阻む知的な防衛機制と自尊心の低さ-自由連想法による夢分析・治療の後、自分の自尊心の低さが改めて実感されたためか、気分が落ち込みどんどん抑うつ状態になっていきました。
そこで再び自由連想法を行ったところ次のような空想が浮かんできました。

自由連想法による自己分析・自己治療:

もしかしたら私は、自分が自尊心を感じるために心理カウンセリング夢分析の仕事をしているのではないか?
だから、たびたび心理カウンセリングや夢分析が中断してしまうのではないか?
そうだとすると自分はクライエントさんを、自分自身の願望を満たすためだけの目的で不当に利用していることになる
表面的には笑みを浮かべ、さもクライエントさんのことを大切に思っているような振りをしながら
この偽善者
自分の存在は他人に迷惑をかけているだけなのではないか?
自分がいるから周囲の人が不幸になってしまうのではないか?
自分が生きていることで何か世の中の役に立っていることがあるのだろうか?
いや自分が「世の中の役に立っている」と思うこと自体が傲慢な考えだ
いったい何様だと思っているのか、穀潰しのくせに
早く死んでお詫びしろ、せめてもの償いに
少しは役に立ってみろ
そのとおりだ…生きていてはいけない
でも死んだら赦してくれるのだろうか?
死んでからも散々、罵倒され続けるような気がする
なるほど、それが自分に課せられた報いか
それも仕方がないのかもしれない、今までしてきたことを考えると
「死んで楽になる」と願うこと自体が間違っている、赦されない、反省していない証拠
死んでお詫び、死んでお詫び、死んでお詫び…
本当にそれで、たったそれだけのことで赦してもらえるのだろうか?
信じられない…
しかし実際に死ぬところをイメージすると、とても怖くて死ねそうにない
手首なんて死んでも切れない、怖くて
何だ、死ぬ勇気もないのか
ダメだこりゃ、役立たず
何の役にも立たない
死ぬこともできない
何のために生きてるんだろう?
な~んにも役に立ってないのに
(急に意識状態が変わる)
役に立たないの連呼…そうか、自分にとって人の役に立つことがそんなに大事だったのか
人の役に立たなければ生きている意味、いや資格がないとまで思っていたのか
若い頃の商品先物の営業の仕事
勤務時間中に会社に電話を掛け捲る営業
他人に迷惑をかけているだけにしか思えなかった
それが辛くて辞めてしまった
父親の葬式で帰省したときの記憶
母親をねぎらい食事を作る弟を見て、何の役にも立っていない自分が情けなかった

自由連想法による自己分析・自己治療からの洞察:

抑うつ型自己愛性パーソナリティ(障害)に潜む罪悪感からの自殺衝動

これまで私は自分が「自分にしか関心がない」自己愛性パーソナリティタイプの人間だとばかり思っていました。
またそれゆえに自殺衝動に駆られるのは自分が苦痛から逃れたいからだと思っていました。
しかし今回の自由連想法による自己分析・自己治療により、自殺衝動はうつ病や重度の抑うつ状態の方によく見受けられる、生きていることを他人の迷惑と考える罪悪感から生じていたことに気づかされました。

人の役に立ちたい強い気持ち

また今回の自由連想法による自己分析・自己治療では同時に、自分が心の底(深層心理)では「そうでなければ死んでお詫びするしかない」と思うほど人の役に立ちたい気持ちを強く持っていることも知りました。
そうだとしますと私は自分が思うほど自分勝手な人間ではないのかもしれません。
自分がそれほど酷い人間ではないと思うと少し気が楽になりました。死んでお詫びをしなければならないほど身勝手な人間ではないと実感できたためです。

罪悪感と自尊心の低下をもたらした幼少期の外傷的な体験の繰り返し

その後、何でこんなに自分を身勝手な人間だと責めるのか考えてみますと、幼い頃に(自分としては)心配して言ったつもりの言葉が母親には「心配心のかけらもない薄情な言葉」として受け取られ激しい非難を浴びた出来事が思い出されました。
自己心理学の理論を援用すれば、おそらくこのような体験の繰り返しから自分を「心配心のかけらもない」言葉を変えれば「自分のことしか考えない身勝手な人間」だと信じる思考が形成され、またそのような信念が「身勝手な人間がのうのうと生きていることへの罪悪感」を生み、ひいては自尊心の低下をもたらしたのだと思われます。
また今回の自由連想法による自己分析・自己治療は、自己愛性パーソナリティ障害・回避性パーソナリティ障害(抑うつ型自己愛性パーソナリティ)などのパーソナリティ障害と うつ病との関連についての洞察をもたらしました。
関連ブログ:自己愛性パーソナリティ障害・回避性パーソナリティ障害にも生じる、うつ病様の罪悪感からの自殺衝動
さらに今回の自由連想法による自己分析・自己治療では、途中から自殺に関する連想がどんどん出てきたときは「このまま自由連想法を続けるとどんどん罪悪感抑うつ気分が強くなり、そのうち本当に自殺したくなってしまうのではないか」と心配になりましたが結局その心配は杞憂に終わりました。
この体験から自由連想法による自己分析・ゲシュタルト療法の心理カウンセリング・夢分析への効果で述べた「自己洞察には自由連想法、自己受容にはゲシュタルト療法が最適」という心理療法の使い分けに対しても修正を迫られることになりました。
関連ブログ:心理療法の治療効果への理想化の防衛機制と不安心理
うつ病などを原因とした自殺の心理 心理学的分析本

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