NO IMAGE

自己分析のきっかけとなった本の文章:

最近出版されたうつ病治療のガイド本『うつ病の心理』で繰り返し指摘されている、メランコリー親和型性格の「自己対象欲求充足の見返りを無意識に期待して行われる献身的な行為」。

本による自己分析・自己治療からの洞察:

メランコリー親和型性格とはこのブログで用いられている抑うつ性パーソナリティとほぼ同義の性格タイプを指しますが、上述の『うつ病の心理』のメランコリー親和型性格の人間関係の特徴の記述は、母親に対する新たな洞察をもたらしました。

母親の過保護・過干渉的な世話焼き行為

母親の性格はこれまでの自己分析や『パーソナリティ障害の診断と治療』における各性格タイプの記述との照合の結果から、おそらくメランコリー親和型性格(抑うつ性パーソナリティ)の傾向が強いと思われます。
そして複数のブログに記載してきた子供の頃の(特に幼少期における)母親の溺愛とも思える過保護・過干渉的な行為が上述のメランコリー親和型性格の人間関係の特徴によるものだとしますと、それはとても腑に落ちる解釈でした。
母親は今でも私や弟に対して何かと世話を焼くたちで、それがときどき何か子ども扱いされているようで嫌悪感を感じることがあっても、なかなか断ることができません(弟は躊躇なく「うるさい」と言っていますが…)。
しかしこのような母親の行為も「自分が他人から必要とされている」ことを実感するためであるのならば合点がいきます。
そして母親の世話を焼く行為がしばしば相手に有無を言わせないほど強迫的な様相を帯びることにも納得できます。
上述の解釈に照らせば母親の過保護・過干渉的な世話焼き行為は自分の存在価値を生み出すための努力なのですから、必死(=強迫的*)になるのも当然です。
*自己分析を始めた頃は母親の性格を強迫性パーソナリティと勘違いしたほど、その強迫性は有無を言わせぬ激しいもののように感じられました。

選択的に生じる母親の過保護・過干渉的な世話焼き行為

ただ母親の過保護・過干渉的な世話焼き行為は誰に対しても生じるわけではなく、選択的に行われているようです。
祖母の話によれば普段祖母と二人っきりでいるときの母親は、無口な上に話しかけても返事もしないそうで、情緒的に引き篭もってしまうようです。これは帰省したときの母親の様子からは想像もできない豹変振りです。
このことは母親が誰彼かまわずに世話を焼くわけではなく、人を見て(判断して)世話を焼いている、見方を変えれば周囲の人の言動や態度が、母親の世話焼き行為を誘発しているとは言わないまでも何らかの影響を与えていることになります。
また母親の豹変振りは人間関係の相互作用の影響を差し引いたとしても、抑うつ気質というよりも躁うつ気質の性格、つまり躁状態と鬱(うつ)状態とを行き来する性格を示しているように思えます。
関連ブログ:作成中

母親の過保護・過干渉的な世話焼きと児童虐待との関連

母親の過保護・過干渉的な世話焼きが自分の存在価値を生み出すために行われるのであれば、そのような行為は強迫性を帯びるだけでなく、世話される相手から感謝される必要があります。
なぜなら世話する相手から感謝されてはじめて自分の存在価値が認められると感じられるためです。
このため場合によっては「せっかく世話してあげたのに感謝すらしない」との激しい怒りが生じることも考えられます。
その際、相手が大人であれば気を使ったり、あるいは怒りを感じて社交辞令的に感謝の言葉を述べることもできるでしょうが、相手が子供、特に赤ちゃんの場合はそのような社会性はまだ十分に育っていませんので、上述の自己愛的な母親の怒りを静めることは大変に難しいことが予想されます。
したがって(少々論理が飛躍しすぎかもしれませんが)自己愛的な母親の「自分の存在価値」という対価を要求する形ので愛情の示し方は「赤ちゃんや子供の」母親への共感不全を通じて、母親に自分の愛情を少しも理解してくれないことへの怒りを生じさせ、このことが児童虐待の一因となっているのではないかと考えられます。
あくまで推測ですが…
ちなみに私の家族を例にとれば、子供の頃の母親の過保護・過干渉的な世話焼き行為はもっぱら私に集中し、それは「お兄ちゃんだから」として合理化されていました。
一方の弟に対しては放任(=ネグレクト)といえるほど無干渉で「弟は言っても聞かないから」というのがその理由でした。
ここでも上述の人間関係における選択性の痕跡が伺えます。おそらく言っても「うるさい!」と怒鳴る弟よりも、たとえ渋々でも言うことを聞く私の方が、母親の存在価値を遥かに高めたのだと思われます。
うつ病の心理-失われた悲しみの場に
著者である精神科医の内海健さんは、近年の社会構造の変化がメランコリー親和型性格(抑うつ性パーソナリティ)の人の うつ病の発症リスクを高め、また最近いわゆる薬(抗うつ薬)が効かない うつ病として問題視されている双極性障害、なかでも双極Ⅱ型障害にはマニー型性格(自己愛性パーソナリティ)の人が多い、すなわち自己愛の病理が関係していると分析されてます。
メランコリー親和型性格(抑うつ性パーソナリティ)心理学的分析本
児童虐待防止法ハンドブック他、児童虐待防止・対策・心理学的分析本リスト

NO IMAGE
最新情報をチェック!