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便利屋の性格ゆえの葛藤を自己受容-自由連想法による自己分析・治療281回

自己分析のテーマとした心理:

仕事の人間関係上のトラブルでの、罪悪感とも怒りともつかぬ感情
もう長いこと取引のない会社のAさんから仕事の依頼。それは以前の仕事に使用した元データを変換してB社に納品するというものでした。そこで「A社の○○です」と名乗り*B社に連絡したところ、担当の方と話をしているうちにAさんの聞き違いで間違って私に依頼が来たことが判明しました。
*業務請負にも関わらず表向きその取引先の社員として仕事をすることはフリーランスではよくあることです。
そこでB社の方に「担当の者から連絡させます」と伝え、事の顛末をAさんに伝えたところ、そのデータを持っているのが私とは別の外注先のCさんであることが分かりましたが、Aさんの指示で私がCさんに仕事の依頼内容を伝えました。Cさんの「翌日データの有無を調べB社に連絡します」との話を受け「これでもう私の手を離れた」と安心したのですが…翌日B社の方から留守電に催促のメッセージが入っていたのです(T_T)
私に催促されてもどうすることもできませんので急ぎCさんに催促の旨を伝えたところ「そもそも私から仕事の依頼が来るのは『筋違い』であり、まずはAさんから連絡してしかるべきもの」との私には思いもかけない答えが返ってきました。
この筋違いという言葉が堪えました…なぜならCさんの怒りはおそらく直接的にはAさんに向けられているのでしょうが、安請負してCさんに連絡した私も暗に責められているように感じられたためです…しかしどこかで「むしろ自分はとばっちりを受けた被害者」との怒りもあるような気がします。
そこで自由連想法による自己分析で私の心理状態を探ることにしました。

自由連想法による自己分析・自己治療(重要な連想のみ):

(お客さんであるB社の方から見れば全員社員であるがゆえに)内輪もめに過ぎないことでお客さんに迷惑をかけることのは本末転倒であり、それこそ筋違いだ
お客さんは何も無理難題を押し付けているわけではないのだから
AさんやCさんはこのことをどう思っているのだろう?
特にAさんは直接仕事をいただいている立場なのだから、こんなことで取引先の信用を失うなんて馬鹿げているとは思わないのだろうか?
私が最終的なお客さんに迷惑がかかることを気に病むのは、そんなにおかしいことなのか? 感じなくても良い罪悪感を感じてしまっているのだろうか?
自分の関わった仕事ではないのだから、微塵も心配しないのが普通なのだろうか?
少なくても私は平気ではいられない
今だってCさんがAさんと直接話をすると言っていたが「そんなことをしてるうちに、どんどんB社の方への連絡が遅れてしまうのではないか」「そしてまた私に催促の電話が来てしまうのではないのか」と心配でならない…
しかし私の関わった仕事ではないので、私にはどうすることもできない…
なるほど、そこに葛藤があるのか…

自由連想法による自己分析・自己治療からの洞察:

便利屋の性格を自己受容

以前の便利屋の性格に関する自己分析*では、便利屋の性格により他人にいいように利用されることへの惨めさ・情けなさなどの自尊心・自己肯定感の低さなどが自己洞察されましたが、今回の自己洞察ではそのような便利屋の性格が悪いものとはどうしても思えず、自己受容とも取れるような自由連想法の展開となりました。
*関連ブログ:
便利屋の性格-夢分析による自己分析
便利屋と欲求を満たすことへの罪悪感-自由連想法による自己分析

しかし自己受容といえば聞こえはいいですが、これではこの先ますます他人から利用さやすくなってしまうのではないかとの危惧が生じますが、必ずしもそうとは限りません。
自己受容がなされる前と後では心理的にある大きな違いが生まれます。その違いとは精神的な強さです。
症状の自己受容がなされる前は、症状を取り除こうにも取り除けず、その結果症状に苦しめられ怯え続けることになりがちです。
しかし「それでも構わない」と思い症状の自己受容が達成されますと精神的な強さのようなものが生まれ、この精神的な強さ(自我の強さ)が症状からくる精神的苦痛への耐性を高めます
このように考えますと(夢分析も含めて)心理カウンセリングや自己分析における治療目標は自己変容(より適応的な性格への変化)にみならず、自己受容も立派な治療目標となりえ、さらに私見では自己変容よりも自己受容の方が往々にして達成が容易であると考えられます。

便利屋の性格ゆえの心理的葛藤

ただし便利屋の性格ゆえに、自分では解決できないことにでも「できれば解決したい」との気持ちが生じ、それが心理的葛藤を生み出すことも自己洞察されました。
しかしこれとて、ひとたびこのような心理に気づけば今後は「自分では解決できないことを解決しようとしている」ことへの気づきが容易になり、これまでのように(無意識的な)葛藤に悩まされることも少なくなるはずです。
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