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脇見視線恐怖症の症状への新たな洞察:

以前に自己愛障害の心理による脇見視線恐怖症の症状・原因・治療で、自己愛障害の心理(相手の態度や行動がすべて「自分への反応」のように感じられる心理)を原因として生じる脇見視線恐怖症について書きましたが、その際に(恐怖症ですから当たり前なのでしょうが)もっぱら他人の「否定的な反応」に対して生じる恐怖心理についてのみ考察しました。
しかしその後も自身の脇見視線恐怖症的症状を観察するうちに、他人の肯定的な反応への期待からも脇見(チラ見)が生じることが判明しました。
それは具体的には次のような脇見視線恐怖症的症状でした。

脇見欲求の背後の自己愛性パーソナリティ障害的な心理:

あるときカフェでお茶をしていると素敵な女性が目の前の席に座りました。その女性のことが気になり脇見(チラ見)したい欲求に駆られます。もちろん男性であればある程度は自然な欲求なのかもしれません。しかし何度も脇見したい欲求に駆られるとなると、これは神経症的な症状と考えざるを得ません。
そしてそのときの脇見したい欲求に駆られている自分を観察してみますと、そこには恐怖とは異なる心理が存在していました。それは期待です。
このとき私の心に生じていたのは「素敵な女性の自分に対する反応への気がかり」であり「できれば自分と同じように興味を持って欲しい」という期待でした。
つまりこのときの私は(少々大げさな言い方をすれば)自分が見ず知らずの素敵な女性を魅了してしまうほど魅力的な男性であることを期待し、それを確認するために脇見する欲求に駆られていたと言えます。
この心理は程度の差こそあれ、自己愛性パーソナリティ障害の方に見られる「自分を特別に価値のある人間だと信じて疑わない」心理に通じるものがあります。
※なかには「素敵な異性が自分に魅せられていると思うのは、それだけ自分に自信がある証拠であり自尊心・自己肯定感が高い証」だと思われる方もいらっしゃるかもしれません。おっしゃるとおりです。
現代は自己愛の時代と言われています。多くの方が意識的・無意識的に「将来日本、いえ世界中の人から注目や賞賛を浴びる」未来の自分の姿を繰り返しイメージするような時代です。
ですから私の感覚の方が時代遅れなのかもしれません。

回避性パーソナリティ障害(抑うつ型自己愛性パーソナリティ障害)の心理を原因とした脇見視線恐怖症:

ただし私は自己愛性パーソナリティ障害よりも回避性パーソナリティ障害(抑うつ型自己愛性パーソナリティ障害)の傾向の強い性格です。
そのため自己愛性パーソナリティ障害的な期待や、注目を浴びる(偽りの)喜びよりも「脇見することで相手の女性に変に思われるのではないか」という不安の方を強く感じました。
前回の脇見視線恐怖症の考察の際に、脇見欲求の背後に自己愛性パーソナリティ障害的な心理(期待)が存在しているにもかかわらず脇見視線恐怖症的な不安のみが自覚されたのは、私が回避性パーソナリティ障害(抑うつ型自己愛性パーソナリティ障害)の傾向の強い性格ゆえのことだと思われます。
もし私が自己愛性パーソナリティ障害の傾向の強い性格であれば、おそらく脇見視線恐怖症的な不安を自覚することはなかったような気がします。
脇見視線恐怖症ほか、視線恐怖症 克服・治療本リスト
回避性パーソナリティ障害(抑うつ型自己愛性パーソナリティ障害)原因・治療・診断ガイド本

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