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失禁恐怖症のトラウマ体験…PTSD様のフラッシュバック 目次:

CTスキャン中に失禁恐怖症のトラウマ体験…
認知行動療法的アプローチでトラウマ体験に対処
PTSD(心的外傷後ストレス障害)様のフラッシュバックを体験…
精神力で失禁恐怖症に関するPTSD様のフラッシュバックを克服☆
翌日も失禁恐怖症に関するPTSD様のフラッシュバックを体験…
身体感覚でも起こりえるPTSDのフラッシュバック
PTSDのフラッシュバックでは最も恐怖を感じたことが再体験される?
PTSDの治療に有益なナラティブセラピー

CTスキャン中に失禁恐怖症のトラウマ体験…

頭と手のしびれを感じ病院で治療を受けていたときのことです*。脳の検査のためCTスキャン中に急に失禁恐怖症の症状に襲われました。
失禁恐怖症とはすぐにトイレに行けない状況などに遭遇した際に猛烈にトイレに行きたくなる、つまり失禁してしまう恐怖に駆られる不安障害に分類される精神疾患で、トイレ不安とも呼ばれます。
*関連ブログ:頭と手のしびれはビタミンB12不足が原因?
失禁恐怖症の症状に駆られた原因は、いつ呼ばれるか分からないためトイレを我慢していたためです。
今にも失禁してしまいそうな恐怖でパニックになり、すぐにでもトイレに行きたい衝動に駆られましたがCTスキャン中のため体が固定されていて身動きが取れません(@_@;)
やがて膀胱の辺りの筋肉が痙攣を起こし始め感覚が麻痺したような感じになり「もう駄目だ、失禁してしまう」とパニックが頂点に達したとき、幸いスキャンが終わり失禁恐怖症の症状から解放されました。
私にはもともと失禁恐怖症の既往歴があり、ときどき失禁恐怖に駆られることがありますが、トラウマになりかねないようなここまで強い失禁恐怖体験は久しぶりでした。

認知行動療法的アプローチでトラウマ体験に対処:

このとき私はこのトラウマ体験に対して認知行動療法的なアプローチでトラウマの後遺症を残さないような対処法をとることにしました。
具体的には「怖い目に遭った」「また同じような目に遭ったらどうしよう」と考えるのではなく「失禁恐怖症の症状でパニックになっても、それでも失禁しなかった」つまり「たとえパニックになっても失禁することはなかった」と考えることにしました。
このように考えた方が後々失禁恐怖の予期不安に襲われる可能性が低くなると考えたためです。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)様のフラッシュバックを体験…

しかしそのような認知行動療法的な対処法にもかかわらず、さらなる恐怖体験が待ち受けていました…それはPTSD(心的外傷後ストレス障害)*様のフラッシュバック体験です。
*PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは、犯罪や災害・戦争・虐待などによる極度の精神的ストレスを原因として生じるとされる精神疾患で、極度の精神的ストレスを引き起こした心的外傷体験(トラウマ)が繰り返し回想(フラッシュバック)や夢(悪夢)の形で再体験されることが特徴です。
この説明から分かりますように、PTSD(心的外傷後ストレス障害)とはもっぱら状況因(外的要因)から生じる精神疾患であると一般的には考えられています。
またフラッシュバックや悪夢による心的外傷(トラウマ)の再体験は、心的外傷時に生じた脳の海馬や扁桃体の器質的異常あるいは機能障害が原因と推定されています。
椅子に座ってパソコンを使っていたとき突然膀胱の辺りに異常な感覚を感じ、猛烈にトイレに行きたくなりました。
それでも30分前にトイレに行ったばかりなのに尿意を感じるはずがないと思い我慢していると、やがて膀胱の辺りが痙攣して麻痺するような感覚に襲われました。
つまりつい先ほど体験した失禁恐怖症の症状と同じ症状に再び襲われたのです。しかも今回はいつでもトイレに行ける状況であり、失禁恐怖症の症状に駆られる理由がないにもかかわらずです。
そのときこれはPTSDのフラッシュバックのような体験であると悟りました。

精神力で失禁恐怖症に関するPTSD様のフラッシュバックを克服☆

ただ、すぐにトイレに行こうかどうか迷いがありました。というのも仮にトイレにって用を足したところで、またすぐに尿意を感じて失禁恐怖に駆られるような気がしたからです。
そこで寝る前の日課のマッサージやストレッチをして、意識を膀胱から逸らすように努めました。
それでも膀胱の痙攣は続き失禁恐怖が襲ってきます…
しかしそのたびに「絶対にトイレに行かないぞ」といわば精神力で失禁恐怖に対抗しました。
また先の認知行動療法的な対処法を思い出して「パニックになっても失禁しなかった」と自分に言い聞かせました。
すると30分ほどして膀胱の痙攣が治まりました。
こうして私は精神力で失禁恐怖症に関するPTSD様のフラッシュバックをなんとか克服することができたのです。
※精神分析家オーウェン・レニックの『実践的精神分析入門』によれば、PTSDのフラッシュバックに苦しむクライエントの思考パターンには「最終的には難を逃れ助かった」点が欠落しており、その点を意識して安堵感を感じることが治療上有益であると述べています。
関連ブログ:PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状への罪悪感・性格因の影響-実践的精神分析入門

翌日も失禁恐怖症に関するPTSD様のフラッシュバックを体験…

しかし残念ながら翌日も失禁恐怖症に関するPTSD様のフラッシュバックが襲ってきました。今度は就寝時です。
寝床に入るとまた膀胱の辺りが痙攣しだし、動悸がして手の平からは汗が出てきました。これは自律神経の交感神経が優位になっている証で、これでは眠れるはずがありません。
それでもまた「絶対にトイレに行かないぞ」と精神力で失禁恐怖に対抗し続けました。
結局1時間以上失禁恐怖と戦い続けた末、何とか眠りにつくことができ今回もPTSD様のフラッシュバックを克服できました。
さらに次の日も今度はスターバックスでお茶しているとき、しかもトイレに行った直後に膀胱の辺りがしびれるような感覚がフラッシュバックとして襲ってきて、また「絶対にトイレに行かないぞ」と誓い、PTSD様のフラッシュバックと戦い続けました。
私がなぜこのような対処法を取るのかといいますと、それはユングの体験の影響が大きいと思います。
『ユング自伝』の中でユングは子供の頃の体験について語っています。それはPTSDのフラッシュバックや失禁恐怖症とは異なりパニック発作ですが、そのときユングは「絶対克服してみせる」と誓ってパニック発作と格闘し続けたそうです。
そして三度目のパニック発作を克服した後、二度とパニック発作に襲われることはなかったそうです。
このユングの体験談が私をPTSD様のフラッシュバックと格闘し続けさせているような気がします。
私にとって失禁恐怖症に関するPTSD様のフラッシュバックへの対処法(回復)は精神力です!

身体感覚でも起こりえるPTSDのフラッシュバック:

ただ今回の失禁恐怖症に関するPTSD様のフラッシュバック体験は意外に思えました。
なぜならこれまでPTSDのフラッシュバックに関する私の理解では、フラッシュバックとはトラウマ体験がイメージや夢で再体験されるものであり、身体感覚(膀胱の痙攣)のフラッシュバックという概念はなかったためです。
今回の失禁恐怖症に関するPTSD様のフラッシュバック体験から、PTSDのフラッシュバックとは知覚に限定されるものではなく、身体感覚のフラッシュバックというものが存在することを知りました。
※後日PTSDのフラッシュバックについてウィキペディアで調べたところ「フラッシュバックは恐怖などといった感情や味覚、痛覚など、感覚の衝撃として発生し得る」とPTSDのフラッシュバックでは感覚(身体感覚)の再体験もあり得ることが記述されていました。

PTSDのフラッシュバックでは最も恐怖を感じたことが再体験される?

ではなぜ私のケースの場合、失禁恐怖を感じたときのイメージではなく身体感覚がフラッシュバックされるのかと考えて見ますと、何となくその原因が分かりました。
先のCTスキャンを受けていたときに一番恐怖を感じた瞬間は膀胱が痙攣を起こし始めたとき、つまり痙攣という身体感覚を感じたときだったのです。
最も私を恐怖に陥れたのは膀胱が痙攣して麻痺つまりコントロールを失い、それまでは可能であった「小便を我慢する」行為が不可能になってしまったため失禁してしまう恐怖でした。
もしかしたらPTSDのフラッシュバックでは最も恐怖を感じたことが再体験されるのかもしれません。
だとするとPTSDのフラッシュバックの治療では、まず何が一番クライエントさんを恐怖に陥れたのかを「詳細に」調べ、そのことが治療の出発点になるような気がします。

PTSDの治療に有益なナラティブセラピー:

なおウィキペディアのPTSDの治療の項目には、PTSDの有効な治療法として薬物療法の他にナラティブセラピーという心理療法が挙げられていました。
これは私見ですがPTSDでフラッシュバックされる内容を物語(ナラティブ)として語っていただき、そのトラウマ的な物語を別のトラウマ的でない物語に書き換えることがPTSDの治療では有益ということなのだと思われます。
PTSD治療ガイドラインほか、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状・治療・診断基準・対処法・接し方・原因ガイド本
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そこでフラッシュバックで再体験される膀胱が痙攣したり麻痺したりする感覚についてナラティブセラピーのテクニックを使って治療(自己治療)を試みたのですが…実際に始めてみるとそんな余裕はなく自己暗示によるリラックス法のようになってしまいました。
関連治療ブログ:自己暗示によるリラックス法でPTSD様の失禁恐怖症に対処

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