チラシ配布のアルバイトをしていた時期の、あり得ないはずの記憶
私は2年ほど前から副業でメール便の配達業務に従事していますが、若い頃はチラシ配布のアルバイトをしていた時期があります。
今でもときどきその頃のことを思い出すのですが、その内容に驚かされることがあります。
その多くは配布先の住人と親しげに会話をしている記憶で、最初の頃は本当にそのような出来事があったものと思い込んでいました。
しかしよくよく考えると、それはあり得ない話なのです。
なぜならチラシというものは無作為に投函されるため大多数の人にとって不要、かつその中に大切な郵便物が紛れ込んでしまい一緒に捨ててしまったりするなど大変迷惑な代物だからです。
したがってその配布人に対する風当たりは相当強く、当時の私も日に何度も謝罪しながら仕事をしていました。
このため配布先の住人と親しげに会話を交わす機会がたびたびあったとは到底思えないのです。
空想が「現実の出来事」として記憶された可能性
そこで私のこの記憶がどのようにして生まれたものなのか探ってみると、当時仕事をしながらたびたび空想にふけっていたことを思い出しました。
したがって恐らくその時の空想内容が、現実の出来事と混同するような形で記憶されたのではないかと推測しています。
脳あるいは心は、現実と空想とをどれほど区別できているのか?
しかし仮にそうだとすると、人間の脳あるいは心というものは果たしてどの程度正確に現実と空想とを区別できているのだろうとの疑問が湧いてきました。
この点については、作用機序の上では現実の出来事は「目」という感覚器から得られた情報に基づき認知がなされるのに対して、空想にはそのような感覚器を経るプロセスは存在しません。
ですから両者は容易に区別できそうなものですが、少なくても就寝時の脳は夢の内容を現実の出来事と完全に勘違いしています。
今回感じた記憶に関する疑問を解くヒントになるような内容が、少し前に夢分析のサイトで紹介した『睡眠と夢』に書かれていた気がしますので、もう一度読んでみようと思っています。