自由連想法による自己分析(重要な連想のみ):
子供のみならず大人でさえ、例えば人間関係を円滑にするために錯覚(幻想)を必要としている*。
相手の話を何でも真に受けるバカ正直な傾向と関係があるのでは?
*参考書籍:ウルフ『自己心理学入門―コフート理論の実践』(P.192「錯覚の偏在性」の項)
自由連想法による自己分析からの洞察:
以前に行ったナラティブセラピー*で(あくまで内的現実、つまり私の主観による理解ですが)「乳幼児期の母親の投影同一視的操作の影響から、相手の話を文字どおりの意味に受け取る」対処方法を身に付けた」との洞察を得ましたが、このバカ正直ともいえるコミュニケーション方法は例えば心理学のワークショップなどで感じる深い孤独感と関係があるような気がしてきました。
*関連ブログ:ナラティブセラピーによる自己分析81回目
心理学のワークショップでおこる一体感という幻想
心理学のワークショップの参加されたことのある方でしたら経験があるでしょうが、多くの方は参加者全員と心が一つになるような一体感を感じ、お互いに何もかも分かり合えるような気がするそうです。
ところが実際には他人の心の中を覗くことは不可能ですので、このような感覚は錯覚(幻想)に過ぎません。しかし見方を変えればこのような幻想を抱けるからこそ幸せな気分を味わうことができるともいえます。
集団幻想を持てないことによる深い孤独感
(私自身がそうであるように)もしこのような集団幻想を持てないと周囲の方とのつながりを一切感じることができなくなり深い孤独感に苛まれることになります。
さらに周囲の方が幸福なのに「自分だけが」孤独感を感じていることが「自分は異常なのではないか?」「集団に適応できない不適応な人間なのではないか?」などの考えを起こさせ、このことが周囲の方とのコミュニケーションに対する絶望感を生み、ますます孤独感を深めてしまいます。
集団幻想が満たす所属欲求
これは私見ですが、(本当は相手の心は分からないにも関わらず)分かったような気になる幻想を持つことは、それが適度である限りはマズローの欲求階層説のうちの(集団への)所属欲求を満たすための必要条件のような気がします。
孤独感の克服・解消、孤独感の心理 分析本
私の考察とは異なり、創造性など孤独感の肯定的側面を論じた本が多いようです。