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自己分析のテーマとした症状(感情・空想):

・取引先の方との電話。「そんなことも知らないんですか?」とバカにしたように言われたように感じて猛烈に腹が立つ! その後も怒りが収まらず、相手に対する攻撃的あるいは迫害的な空想が次々と頭の中を駆け巡る。
・その後も些細なことで腹が立つ

自由連想法による自己分析を行う前の洞察:

これ(怒りの原因がなくなっても、いつまでも怒りが持続する心理状態)が自己心理学の自己愛憤怒と呼ばれる心理状態なのでは!?

自由連想法による自己分析(重要な連想のみ):

産業カウンセラー養成講座以来の激しい怒りだ
(自己愛憤怒の定義を見直す)
「自己愛憤怒とは自己への脅威が自己に無力感を感じさせる時に、その邪魔する自己対象を破壊することを目的とした激しい攻撃性の一形態。自己愛憤怒は自己への脅威が消失しても消えることはない…しかし別の自己対象によって共感的に理解され、その話し相手に理解されたと感じることができれば、自己愛憤怒は徐々に消滅していく。」(「自己愛心理学入門」による自己愛憤怒の用語解説を一部改変)
たしかに今回の激しい怒りの持続は自己愛憤怒の定義に当てはまるような気がする
だとすると…信頼できる他人に共感的に話を聞いてもらわないと自己愛憤怒はなくならないのか
しかしノートパソコンを買ったばかりでスーパーバイザーに個人セッションをお願いする金はない
またKさんに話を聞いてもらうのも昨日の今日のような気がして申し訳ない*
ならば自分自身が別の自己対象の役割を担うしかない…ってそんなに都合良くいくのか?
とりあえず自由連想法を続けてみよう
*関連ブログ:
現実感覚喪失に有効な傾聴-自己分析77回目

養成講座のときは翌日に胃痛になった 気をつけないと
それと激しい怒りからの空想が現実の相手の印象をますます悪いものにしていった
今回の自己愛憤怒的な怒りでも同様の空想が生じた
自己愛性人格障害呼ばわり バカ丁寧な態度で挑発 相手に報復できるなら仕事を失ってもいい
いかんいかん 何とかせねば
何であんなに腹が立ったのだろう?
(会話の内容を思い出す)
その前から怒りを感じる兆しがあった
自分が試した解決法を「まるでピント外れ」だと、ことごとく否定された
この辺りから無力感を感じ始めた
そして嘲るような調子での「そんなことも知らないんですか?」発言
てめえ、たいがいにせぇよ! なぜか関西弁
いや正確には、嘲笑しながら「○○さん、そうなんですよ」
笑い者にされたことが我慢ならなかった 笑い者…
幼稚園の頃の記憶 ジャンケンに負けてお尻を出して三面鏡で友達に見せゲラゲラ笑われたこと
中学校のとき、フルーツバスケットでいつまでも鬼になり続けたこと
そのときF君に跳ね飛ばされて尻餅をついたときの恥ずかしさ
小学校のとき血尿の検査のため尿道に棒を突っ込まれ苦痛に喘いでいるところを看護婦さんたちにゲラゲラ笑われた苦痛、惨めさ、恥ずかしさ
そう、私は自分ではどうしても対処できなく困り果てて相談した 助けてもらいたかった
その助けてもらいたい相手から嘲笑された これが堪えた 許せなかった
嘲笑されても頼み事をしている手前、何も言い返せないことが惨めでならなかった

自由連想法による自己分析からの洞察:

期待を裏切られたこと+さらなる無力感への自己愛憤怒

今回の自己愛憤怒的な怒りの背後には、自分では対処できなかったことによる無力感と、相手の方への「困っている自分を助けて欲しい」との期待とがありました。
それが嘲笑されたことで、期待を裏切られたこと+さらなる無力感を植え付けられたことへの二重の怒りが生じたのだと思います。

期待を裏切られたことによる心理カウンセラーへの自己愛憤怒

心理カウンセラーを始めたばかりの頃、一度クライエントさんから理由も分からず激しい怒りを向けられたことがありましたが、そのことと今回の体験が重なるような気がします。
おそらくそのクライエントさんは「(主観的な意味で)助けてくれる存在」である私に対して今回の私同様、いえそれ以上の期待を抱いておられたのではないでしょうか(そうでなければ心理カウンセリングを受けようとは思わないはずです)。
そして期待に応えることのなかった私に対して自己愛憤怒にも似た激しい怒りを感じられたのだと思います。
これまで心理療法の本で幾度となく「クライエントさんからの理想化にもとづく過剰な期待」を目にしてきましたが、今回の体験で「(心理カウンセラーに)期待を裏切られる」ことがどんなに辛く、また激しい怒り(自己愛憤怒)を生じさせるのかを実感しました。

強い依存心から生じる自己愛憤怒

また一般的に「親しい間柄や身近の人には、しばしば激しい怒りを感じるのに対して、無関心な人に対してはそれほど腹が立たない」ものですが、これも親しい間柄や身近の人に対してほど、信頼感からの強い依存心が生じるため過大な要求(期待)を抱きがちになることが、関係しているように思えます。

自己愛憤怒に自己分析は効果なし?

余談ですが、この自己分析の後しばらくしてまた取引先の方への激しい怒りの空想が始まりました(@_@;)
おそらく一時的には自己分析から洞察を得たことで達成感を感じ、そのことで自尊心が回復したのでしょうが、時間が経つとその効果が薄れてきて元の自己愛憤怒が息を吹き返したのでしょう。これは自己分析が「共感的」というよりも「探索的」に行われたのが原因と思われます。
やはり『自己心理学入門―コフート理論の実践』における「別の自己対象によって共感的に理解され、その話し相手に理解されたと感じることができれば、自己愛憤怒は徐々に消滅していく」との指摘は正しかったようです…
自己心理学入門―コフート理論の実践

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