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自己分析のテーマとした症状:

いろいろ対人恐怖症(特に女性恐怖症*)に対する自己洞察があったにもかかわらず未だに感じる、見ず知らずの女性から圧迫感を受けるような恐怖。
*私の女性恐怖症の症状は、主に見ず知らずの女性に対してのものであり、たとえば顔見知りの女性と視線を合わせて会話することなどは普通にできます。

自由連想法による自己分析:

(女性からの圧迫感を意識的に感じる)
当たり前だが、その女性は私に対して無関心のように見える
だから女性からの圧迫感は幻想に過ぎない
それにもかかわらず(その女性とは見ず知らずの間柄とはいえ)相手が自分に無関心なことに違和感を覚える
これまでの自己洞察の回想
母親の何でも「自分への要求」と受け取るような態度
竹の子の話をしただけで「竹の子を食べたい」
ジョナサンでおひとりさまの苦渋をなめさせられた話をしただけで「一人にしないで欲しい」
なるほど、母親の態度を普通と思えば、女性の態度は普通ではない
だから違和感を覚えるのか
そういえば心理カウンセリングのトレーニングをしていた頃、大真面目に「隣に(女性が)座っているのに、何も話をしないのはおかしい感じがする」と言っていた
ナラティブセラピーで現れた、幼少時の母親からの虐待とも取れる、かつ予測不可能な叱責
関連ブログ:
ナラティブセラピーによる自己分析81回目
嘔吐恐怖と懲罰不安-ナラティブセラピーによる自己分析85回目
もしかしたら私は、生まれたときから自分の態度が母親の予想もしない反応を引き起こしてしまう体験を繰り返すことで、自分が相手に及ぼす影響力を恐れるあまり自意識過剰になり、その結果対人恐怖症(特に女性恐怖症)のような症状に苦しむことになったのではないか?

自由連想法による自己分析からの洞察:

女性恐怖症の原因

女性恐怖症的症状への自己分析から、過去の二つの自己洞察が結びつき、さらなる自己洞察が得られました。
今回の自己洞察によれば、ナラティブセラピーで紡ぎ出された虐待的な物語は、虐待の事実を示唆するというよりも、何でも「自分への要求」と歪めて解釈してしまう母親の予測不可能な反応への恐怖心が投影されたもののようです。
もっともこの解釈は母親の反応が虐待的でなかったことを意味するわけでありません。そもそも予測不可能な反応自体が外傷的に作用しかねませんし、さらに何でも「自分への要求」と歪めて解釈してしまう母親に共感し損ねた場合、母親から見た私は「欲しいと言ったくせに、与えるといらないと言う、何て、あまのじゃくで自分勝手な子供」と映るはずです。
そのような「わがまま」な子供に対して、母親がナラティブセラピーの物語に示されたような激しい叱責を加えることは容易に想像がつきます。
このような虐待的とも取れる心的外傷体験の積み重ねが(母親の激しい叱責を引き起こしていると思われる)自分の態度への過敏性(=自意識過剰)を生み、その結果対人恐怖症(特に女性恐怖症)的症状に苦しむことになったのだと思います。

女性恐怖症の治療

最後に自己洞察後の女性恐怖症の症状の経過についてですが、残念なことに未だに見ず知らずの女性に対して恐怖を感じ続けています。いえ、むしろ今まで以上に女性からの圧迫感に恐怖を感じるようになりました(@_@;)
おそらく症状の悪化は、今まで意識されることのなかった無意識の内容が意識化されたことで、幼少期の耐え難い苦痛を再体験するようになったためと思われます。
残念ながら女性恐怖症に限らず精神疾患は、その病理への自己洞察が得られた瞬間に症状が消失するというものではありません(T_T)
おそらく私の女性恐怖症的症状の治療にこれから必要なのことは、幼少期から母親との間で繰り返し体験ものとは異なる、より健全な女性とのコミュニケーションの積み重ねだと思います。
見ず知らずの女性が隣の座った際に、(どんなにリアルに感じたとしても)その女性から受ける圧迫感は幻想に過ぎない、その女性は私に何かを要求しているわけではない、ことをその女性の態度から実感する体験を積み重なることだと思います。
私の女性恐怖症的な症状は一回のトラウマ(心的外傷体験)から生じたものではなく、そのような心的外傷体験の積み重ねから生じた関係性の病理です。
関係性の病理は心的外傷体験の積み重ねからの学習がもたらした病理です。長い間培われてきた病的な学習効果が特定の心的外傷体験を想起しただけで消滅するとは思えません*。
*参考文献:
コフート理論とその周辺―自己心理学をめぐって
P.S. その後『脳科学と心の臨床―心理療法家・カウンセラーのために』という本で、女性恐怖症のような対人恐怖症に限らず、他の恐怖症やパニック障害など、不安障害に分類される精神障害の恐怖症状は、脳の扁桃核と呼ばれる部分の条件反射によるもであることを知りました。
恐怖症の恐怖反応は、条件反射という生理的な現象であるため、たとえ恐怖症状への洞察があっても身体(具体的には扁桃核)が自動的に反応してしまい、いつまで経ってもなかなか恐怖症が治まらないのだそうです。
対人恐怖症 治療・克服ガイド
児童虐待防止法ハンドブック他、児童虐待防止・対策・心理学的分析本リスト

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