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自己分析・自己治療のテーマ:

理想化によるストーカー心理・ストーカー行為-自由連想法による自己分析・治療174回の洞察への疑問
「彼女を理想化自己対象として見ていたことで自分に都合の悪い事実がすべて否認の防衛機制により無視され、自分が好かれているとの幻想がストーカー心理ストーカー行為へとつながった」との理解ですが、たとえば母親の理想化と共感不全-ゲシュタルト療法によるインナーチャイルドの癒し169回などで、幼少期の頃の私は母親を過度に理想化していたことが分かっています。
しかし自己心理学の理論では(主として幼少期に)理想化自己対象欲求が十分に満たされない(理想化できるような相手に恵まれない)と、その後の人生において理想化自己対象を貪欲に求め続けると考えられています。
したがって自己心理学の理論から見れば、母親を理想化して育ったのであれば別の女性に対して過度に理想化する必要はないはずです。
そこで彼女に対する理想化自己対象欲求およびストーカー心理・ストーカー行為について、もう少し自己分析してみることにしました。

自由連想法による自己分析・自己治療:

ん?もし彼女が「気になっている男性」のことを話した瞬間にストーカー心理が芽生えたのだとしたら…
ストーカー心理は、その男性と彼女を奪い合うエディプス葛藤(エディプスコンプレックスによる葛藤)によるものということになる
(もう一度、前回の自己分析・自己治療と彼女の手紙を読み直す)
前回の自己分析・自己治療によれば2通目の手紙から「何でもありのままを受け入れてくれる」理想的な女性との錯覚、つまり理想化自己対象としての彼女への恋愛感情が芽生えている
そして3通目の手紙で明らかにされた「気になる男性」の存在
ここでエディプス葛藤からの強烈な嫉妬が生じた
しかしそのエディプス葛藤による嫉妬は、怒りから男性を亡き者にしようとするよりも、「何とかしてその男性のようになり彼女に気に入られたい」心理を生じさせた
つまり恋敵である男性への敵意よりも、理想化自己対象である彼女へのさらなる依存心を生じさせた
ということはエディプス葛藤は理想化自己対象欲求を強めただけで、中心的な心理はあくまで理想化自己対象欲求だ
ではなぜ母親との間で理想化自己対象欲求をそれなりに満たせたはずなのに、別の女性に改めて理想化自己対象欲求を向ける必要があるのか?
…私は重大な勘違いをしていた…
当時の私は彼女を理想化してはいたが、理想化自己対象として振舞って欲しいわけではなかった
むしろ鏡映自己対象として、つまり「何でも共感的に受け止めて」欲しかった
つまり彼女を何でも共感的に受け止めてくれる鏡映自己対象として理想化していた(ややこしい…)
つまり私のストーカー心理やストーカー行為は、理想化された彼女への鏡映自己対象欲求から生じていた

自由連想法による自己分析・自己治療からの洞察:

鏡映自己対象欲求によるストーカー心理・ストーカー行為

自由連想法の最後の連想に示されているように、私のストーカー心理やストーカー行為は、理想化された彼女への鏡映自己対象欲求という複雑な心理的プロセスから生じていたことが洞察されました。
このような心理的プロセスでしたら納得できます。母親の理想化と共感不全-ゲシュタルト療法による自己分析・治療169回などにより、幼少期の母親との人間関係における共感不全が示唆されていますので、十分に得られなかった共感を貪欲に彼女に求めた。
精神力動的には何でも共感的に受け止めてくれる(空想上の)理想化された母親のイメージを彼女に投影し、限りなく受容的な母親の愛情を彼女に期待するだけでなく、実際に彼女が理想化された母親イメージのように振舞うように、投影同一視により(無意識に)操作が試みられた。
ちなみに理想化された母親イメージの投影がストーカー的な独りよがりの心理に、投影同一視による無意識の操作がストーカー行為につながっています。

ストーカー心理・ストーカー行為への無自覚

「理想化」や「投影同一視」は、いずれも防衛機制と呼ばれる無意識の心理的プロセスのため、当時の私にはその自覚がまったくなく、したがって自分の心理や行為がストーカー心理・ストーカー行為であることにもまったく気づきませんでした。
重ね重ね、彼女には大変申し訳ないことを致しました。
「ストーカー心理」解説本
「ストーカー対策」解説本

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