NO IMAGE

自己愛障害による見ず知らずの女性・男性へのストーカー心理:

自己愛障害による見ず知らずの女性から誘惑・嫌悪される女性恐怖症-自己分析・治療で考察した自己愛障害の心理状態(すべてを自分への反応と思い込む心理)はときとして見ず知らずの女性(あるいは男性)へのストーカー心理につながることもあります。
自己愛障害がストーカー心理にまで発展する場合としては、たとえば次のようなケースが考えられます。この場合、相手の方が好みのタイプの方か否かにより形成されるストーカー心理はまったく異なってきます。
※自己愛障害の心理に支配された方が女性の場合には、見ず知らずの男性に対して同様の心理が生じると考えられますので、女性の方はお手数が性別を入れ替えてお読みいただけますでしょうか。
自己愛障害を持つある男性の行きつけの店に、偶然同じ店を気に入った見ず知らずの女性がいたとします。しかしこの偶然に過ぎない出来事も、自己愛障害を持つ人にとっては個人的に特別な意味を持った出来事として認知されます。
自己愛障害の人はすべての出来事が「自分への反応」として感じられてしまうため、その男性にはよく見かけるその女性が「自分に対して何らかの個人的な感情を抱いて足しげく通ってくる」かのように思えてくることがあります。

自己愛障害による好みの女性・男性へのストーカー心理

この際、その女性が好みのタイプの方であれば、女性に対する認知に無意識に期待感が反映されることで、たとえば「この女性は自分に会いたいがために毎日のようにこの店に通うようになったに違いない」などと解釈されます。
こうした体験を積み重ねることにより、やがてストーカー心理に見られる一方的な思い込みに過ぎない擬似恋愛の心理状態が男性の心の中に形成されるに至ります。
そして男性が衝動を抑えきれず、本当の恋人に対するような行為に及んでしまった場合、その行為は相手の女性や世間からはストーカー行為と判断されます。
しかし自己愛障害の男性に側からすればそれは濡れ衣としか思えません。なぜなら男性から見れば最初に好意を持ったのは女性の方であり、男性としてはその好意に応えたに過ぎないのですから…

自己愛障害による苦手な女性・男性からのストーカー被害妄想

次にその女性があまり好みのタイプの方でなかった、もっといえば生理的に嫌悪感を抱くほど苦手なタイプの方だった場合はまったく別の考えが男性の中に生じます。
極端な例では男性の嫌悪感がその女性の認知に影響を与え「ストーカーされている」との被害妄想に駆られ恐怖に震えることになります。

自己心理学よるストーカー心理の理解:

一般的にストーカー心理の思い込みの強さは周囲からはなかなか理解しがたいものです。
しかし自己心理学の理論を借りて「ストーカー心理は自己愛障害から生じる」と仮定いたしますと、なぜストーカーの方が見ず知らずの女性に対して擬似恋愛感情を抱きストーカー行為にまで至るのかについて幾分理解が深まるように思えます。

自己愛性パーソナリティ障害によるストーカー心理・ストーカー行為:

最後に、見ず知らずの女性・男性へのストーカー心理が生じやすいのは自己愛障害の中でも重症の部類に属する自己愛性パーソナリティ障害の方に生じやすいと思われます。
自己愛性パーソナリティ障害の方には自己愛障害から生じる自意識過剰がもたらす対人恐怖症的な恐怖を(今回の考察に即して言えば)「見ず知らずの女性が自分に注目するのは、自分が特別魅力的だからに違いない」との思い込むことでその恐怖心を解消しようとする傾向があると言われています。
そのため自己愛性パーソナリティ障害の方が持つこの心理傾向は、比較的ストーカー心理に結びつきやすいと考えられます。
また自己愛性パーソナリティ障害の方は(すべてのパーソナリティ障害に共通して言えることですが)衝動に圧倒されてしまう傾向も強いため、ストーカー心理から生じる欲求に耐え切れずにストーカー行為に及んでしまう確率も高くなると思われます。
「ストーカー心理」解説本
「ストーカー対策」解説本

NO IMAGE
最新情報をチェック!