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自虐と攻撃性の心理で働く知的な防衛機制-自由連想法による夢分析・治療238回

夢の内容:

合宿のような集まりに参加している。深夜、輪をつけて土星のような形をした目玉の化け物が部屋に侵入してくる(@_@;)
「○○はどいつだ?」
どうやら誰にでも襲いかかるのではなく、特定の人物を狙っているようだ。
どこからともなく「諦め~ない~♪」と延々とリフレインするコーラスが聞こえてくる。
とっさに危機を感じてトイレに逃げ込む。しかし摺りガラスのため外から隠れているのが見え見え…しかも鍵がない(T_T)
「失礼します」と言って若い女性が入ってくるのを見て戦慄を覚える。なぜなら彼女の名前は「あきら」コーラスの頭文字の3文字と一緒…つまり彼女が化け物なのだ(@_@;)

自由連想法による夢分析・自己治療:

土星のような形をした目玉の化け物
子供の頃に見た『忍者 赤影』の目玉の化け物
皆既日食のときに、太陽がその目玉の化け物のように見えてとても怖かった
しかし土星の輪はなかった
土星…イラク侵攻のときにテレビに頻繁に出てきた軍事コメンテーター
その男性の髪型が「土星(の輪)みたいだ」と友人Tが言っていた
あと少し前にテレビで見た銀河鉄道999に出てきた(土星の)惑星タイタン
惑星タイタンでは法律というものがなく何をしても許される楽園?だそうだ
そういえば少し前に惑星タイタンのことを空想していたことがある
何をしても許される世界…
女性は怖くて一人で歩けない
そこで用心棒を雇うことになる
しかし今度はその用心棒の言いなりになってしまうだろう…
などと空想していた
結局、他人の言いなりの人生…
前回の自己分析(妄想性障害・妄想性パーソナリティ障害・統合失調症・うつ病・躁うつ病の関係妄想は人間関係の象徴-自由連想法による夢分析・治療237回)で表れてきた無意識の空想「自分の人生が不幸な目に遭うように何者かに操られている」とどこか似ている
自分ではどうすることもできない、耐えるしかない
耐えてさえいれば、あとは相手のせいにできる
自分は純粋に被害者、悪くない、悪いのは常に相手
先ほどの友人Kの発言
(自転車に乗っていて車に跳ねられそうになったことを聞いて「気をつけた方がいいんじゃない」と言ったことに対して)
「車の方が悪いことになるんだから関係ねえんだよ!」
いくら相手の方が悪いことになるにしても痛い思いをするのはこっちの方だろう、私なら御免だ
しかし彼にとっては自分が痛い思いをしても(悪くすれば死んでしまっても)、相手が裁かれることの方が重要らしい
あっ、いじめの被害者が実名入りの遺書を残して自殺することで いじめの加害者に復讐する心理と同じだ
(関連ブログ:恨みの遺書による自殺で、いじめの加害者に復讐-自由連想法による自己分析39回目

自由連想法による夢分析・自己治療からの洞察:

自虐の心理の背後で働く知的な防衛機制

友人の発言は一見すると自虐の心理に思えますが、その友人は決して自虐と言えるような性格ではありません。むしろ残虐と思えるほど攻撃的な性格で、人間関係のトラブルの耐えない人間です。
先の友人の発言が自虐の心理に基づいたものではないとすると、考えられる原因は知的な防衛機制による感情の抑圧です。
私は自分が車に跳ねられる痛みや恐怖を感じて「冗談じゃない」と思ったのに対して、友人は痛みや恐怖を抑圧した。それが一見自虐に思える思考に結びついたのだと思います。

自虐と攻撃性の心理・行為の背後で働く知的な防衛機制

この友人の、他人から見て自虐と共に残虐とも思えるほどの攻撃性を備えた性格と、その性格の背後で知的な防衛機制が働いている可能性から次のような洞察を得ました。
自虐と攻撃性とは一見相容れない心理のように思われますが、精神分析のパーソナリティ理論など(たとえば『パーソナリティ障害の診断と治療』)が示しますように、自虐と攻撃性とは表裏一体の心理であり、どちらか一方が際立っている、あるいは自覚されているかの違いに過ぎないように思えます。
うつ病の方も攻撃性を示すことがあります)
また自虐・攻撃性どちらの心理にも背後で知的な防衛機制(分離・知性化・隔離・合理化など)が働き感情が抑圧されているために、他人には耐え難い心理にも極めて冷静でいられるのでしょう。
そして知的な防衛機制の働きがさらに強まるとそれが行為にまで及び、自虐行為(自傷行為を含む)や残虐行為などを「恐怖や罪悪感を一切感じることなく」行うことが可能となるのかもしれません。

自殺や犯罪行為につながる知的な防衛機制

一般的に知的な防衛機制は心理的に健康な方に多用され、万能感・投影・同一視・否認など重症の精神障害の方が多用する防衛機制に比べて害が少ないと言われています。
しかし上述の考察が正しければ、比較的健全と思われている知的な防衛機制も程度によっては自殺犯罪行為に結びつきかねないことになります。
凶悪犯罪を犯す人の多くは反社会性パーソナリティ障害の可能性が高いそうですが、その中で知能犯と呼ばれる人の中には反社会性パーソナリティ障害ではなく、ストレスに対してもっぱら知的な防衛機制に頼るパーソナリティ(強迫性パーソナリティ)の方のような気がします。
防衛機制 解説本

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