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ナラティブセラピーを行う前の症状:

母親の期待に背くことへの罪悪感

母親が上京してくる日、あいにく仕事が入ってしまい食事の約束をキャンセル。しかしそれでも母親が部屋で待っているような気がします。実際、過去にそのようなことがあり「何時だと思ってるの!」と責められた記憶がありますので。
無理してでも帰らなければならないのでは?と罪悪感を感じ始めます。しかしそれでは私自身の「人に頼まれると断れない」悩みを再び繰り返すことになり、これではいつまで経っても克服できませんし、また母親の万能的な期待感を助長することにもなるでしょう。
そこで仕事を終えてから一人で食事を取ることにしました。

漠然としていた不安から母親に罰せられる恐怖へ

しかしジョナサンで席に着いた途端、漠然とした不安に襲われます。やがて漠然としていた不安は、期待に背いたことで母親に罰せられる恐怖へと変化。しかも今にも入り口から母親が入ってきて「何一人で食事してるの! あたしが待っているのを知ってて!」と怒鳴られるような気がしてなりません(@_@;)
すぐに、以前幻聴で体験した「どこへいても恐ろしい母親から監視されている恐怖*」と同じ恐怖を感じていることに気づきました。
*関連ブログ:
過酷な超自我の投影による迫害不安-自由連想法による自己分析17回目

鼻づまりによる嘔吐恐怖

いつの間にか鼻づまりが酷くなっており、その影響で気持ち悪くてとても食事ができそうにありません。
しかし、どこか馴染みのある恐怖感…それは5才の頃から長い間苦しめられてきた嘔吐恐怖の感覚でした…原因不明のまま症状が改善していた嘔吐恐怖症が再燃したです(@_@;)
長い間不明だった嘔吐恐怖症の原因にやっと辿り着いた気がしました。

ナラティブセラピーのテーマ:

母親の期待に背いたことへの懲罰恐怖と嘔吐恐怖

ドミナントストーリー(問題を引き起こしている信念を象徴した物語):

どのような体験をすれば「母親の期待に背いたことへの懲罰恐怖嘔吐恐怖」に怯えるような人間に育つのかを架空の主人公の物語で表現しました。
主人公は人生に疲れた男性。物語は彼の小さい頃から始まる。
「何してるの!」
「え?」
「え?じゃないわよ! 人のことバカにして! あたしが知らないとでも思ってるの!」
(………)
「何してるの、って訊いてるのよ!」
「遊んで…た…」
「誰がそんなことしていいって言ったの! あたしがいつ遊んでいいっていったの! 言って見なさい!」
「ごめんなさい…」
「あんたは勉強だけしてればいいのよ、それしか能がないんだから! あ~まったくイライラする!」
「ごめんなさい!」
(言うことを聞かない僕が悪いんだ…)
「何黙ってるの!」
「え?」
「美味しいの?美味しくないの? 食事を作ってもらっておいて感想の一つも言えないの! 冷たい子だね、お前は!」
「まあまあかな…」
(し、しまった…)
(ドスの聞いた声で)「いい根性してるねぇ~お前は」(微笑)
「お尻出しなさい!」
いつものようにお尻を出して四つん這いになる
「この裏切り者! 悪魔!」(バシッ、バシッ)
お尻には無数の真っ赤な手形が折り重なっている
あまりの痛さに気を失う子供
「死んだ振りなんかして嫌みな子だね。あたしの手の方が痛くなってきたじゃない、まったく…」
絨毯に広がる染み…失神したついでに失禁してしまったのでした…
それを見て逆上する母親
「あたしがきれい好きなのを知ってて…」
(興奮のあまり、それ以上言葉にならない)
(再びドスの聞いた声に戻り)「今日という今日は…許さない…悪い子はどうなるのか教えてあげるわ…」
(バシッ、バシッ、バシッ、バシッ…)
(ピーポーピーポー)
近所の方の通報のおかげで、子供は一命を取り留めたのでした。
「みんなお前が悪いのよ…お前のせいで私の人生はめちゃめじゃない…このままじゃ絶対に許さないから…」
母親の最期のメッセージは、子供の心の奥深くにしっかりと刻み込まれたのでした

ナラティブセラピーによる自己分析からの洞察:

前回のナラティブセラピー(ナラティブセラピーによる自己分析81回目)同様、母親からの虐待がテーマと思われるドミナントストーリーができあがりました。内容は前回の物語よりも遥かに過激になっていますが、これは今回ひとりで物語を作り上げたことにより完全に自由な表現が許されたことが影響していると思われます。
だだし今回のナラティブセラピーでは、あまり自分のことという実感が感じられず他人事のような気がしますので、どこか感情を伴わない知的な作業のような印象を拭えませんでした。
ちなみに物語の中で実際に経験した記憶があるのは「四つん這いの状態でお尻を出して叩かれた」部分のみです。

ナラティブセラピーによる自己分析後の症状と洞察:

子供の頃の嘔吐恐怖への不安

ドミナントストーリーを作り終えた後は恐怖感もずいぶんと和らぎましたので食事にしました。いつもどおりの食欲はありませんでしたが、それでも残さず食べることができました。もし母親の目の前で食事をしていたらこうはいかなかったでしょう。
そう考えると、明日の母親との食事の際に子供の頃の嘔吐恐怖がよみがえり一口も食事を口にできなくなるのではないかとの予期不安を感じはじめ、その夜は中途覚醒などの睡眠障害に苦しめられることになりました。

空想に過ぎなかった懲罰恐怖

しかし翌日の母親との食事で心配していた嘔吐恐怖は起きませんでした。少なくても現在の母親はナラティブセラピーの物語でイメージされたような恐ろしい母親とはほど遠く、したがって子供の頃から無意識に感じ続けてきた母親から罰せられる恐怖は、たとえ当時は現実の恐怖として感じられたとしても、今では現実を歪める空想でしかないことが明らかにされました。
嘔吐恐怖症ほか、恐怖症 克服・治療本リスト

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