認知行動療法のセルフモニタリング法により失禁恐怖症の自動思考が明らかになり、同じく認知行動療法の自動思考の変容法(リフレーミング)によりネガティブな自動思考を変容させたところ、失禁恐怖症の症状が軽減しました。
行動療法(系統的脱感作法)でPTSD様の失禁恐怖症に対処 目次:
認知行動療法(セルフモニタリング)により失禁恐怖症の自動思考を探索
失禁恐怖症に伴う排尿への恐怖心と絶望感の自動思考
認知行動療法の自動思考の変容法により失禁恐怖症に伴う自動思考を変容
認知行動療法(セルフモニタリング)により失禁恐怖症の自動思考を探索:
行動療法(系統的脱感作法)でPTSD様の失禁恐怖症に対処にも書きましたように、PTSD様のフラッシュバックで生じる失禁恐怖症の症状(膀胱に尿が溜まっていないにもかかわらず今にも失禁しそうな恐怖に襲われる症状)に対して失禁恐怖の不安階層表を作成しただけで気持ちがかなり楽になりました。
そこで今度は認知行動療法のセルフモニタリング法を使って、失禁恐怖症の症状に襲われているときにどのような自動思考*が生じているのかを探索したところ、次のような自動思考が明らかになりました。
*自動思考とは認知行動療法や認知療法の用語で、無意識に心の中で考えている思考の事を指します。
本来自動思考にはポジティブな思考とネガティブな思考がありますが、認知行動療法や認知療法で自動思考という場合、通常それはもっぱら修正が必要なネガティブな思考を指します。
失禁恐怖症に伴う排尿への恐怖心と絶望感の自動思考:
(実際には大して尿が溜まっていないのにトイレに行くことに対して)「ここで排尿してしまっては、またすぐに尿意を感じてしまい、すぐにトイレに行くことが癖になってしまうに違いない。そうなればトイレのことが終始不安になって夜も寝られなくなり、最終的には睡眠が取れないことで死んでしまうに違いない。」
これが失禁恐怖症の症状で不安に駆られているときに心の中で半ば無意識に考えていた自動思考の内容でした。
一度でもトイレに行ってしまえば、それが癖になって死んでしまうに違いないという非常に極端な自動思考から恐怖心や絶望感が生じていたのです。
認知行動療法の自動思考の変容法により失禁恐怖症に伴う自動思考を変容:
そこで今度は認知行動療法の自動思考の変容法(リフレーミング)を使って、失禁恐怖症に伴う非適応的な自動思考の変容を試みました。
具体的には次のように失禁恐怖症に伴う自動思考を変容させました。
・失禁恐怖症の不安に駆られても実際には尿が溜まっていないのだからリラックスしても失禁してしまわないはず
・だから失禁恐怖症の不安に駆られたらリラックス法を試せばいい
・リラックス法を試しても、それでもどうしても失禁してしまいそうな恐怖に駆られるときはトイレに行けばいい、本当に尿が溜まっているのかもしれないのだから
(誰でもトイレが近くなるときはある)
こうして認知行動療法により失禁恐怖症に伴う自動思考を変容し、失禁恐怖症の不安に駆られるたびにリラックス法を試しているうちに徐々に家にいて失禁恐怖症の不安に駆られる頻度が減っていき、一ヶ月もすると家にいてもほとんど失禁恐怖症の不安に駆られることもなくなりました♪
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