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心理カウンセリングの場面設定・インフォームド・コンセントへの疑問-本・テレビによる自己分析・治療 目次:

カウンセラーのためのアサーション-自己分析のきっかけとなった本
話題の医学「インフォームド・コンセント」-自己分析のきっかけとなったテレビ番組
クライエント中心療法で心理アセスメント?
心理カウンセリングの場面設定での説明事項を明文化(場面設定は時間の無駄)

カウンセラーのためのアサーション-自己分析のきっかけとなった本:

カウンセラーのためのアサーション」という本を読んでいたときのことです。
ちなみにアサーションとは「自分も他人も尊重する自己表現の仕方」を指し、この本によればエリスの論理療法の理論をベースに、ロジャーズのクライエント中心療法を考え方を取り入れながら発展してきた自己表現方法のようです。
この本の中でアサーティブな心理カウンセラー(アサーションの考え方に基づいた自己表現ができている心理カウンセラー)の例として、場面設定と呼ばれる心理カウンセリングの導入場面におけるインフォームド・コンセント(心理カウンセリングの説明責任)の概念が述べられていました。
初回の心理カウンセリングでは、まず初めに以下のような内容を説明する必要があることは、少なくても心理カウンセラーの間では当然の義務と考えられているようで、産業カウンセラー養成講座でそのことを教わったときは正直「面倒だな」と思ったことを覚えています。
・心理カウンセリングの内容
・心理カウンセリングの方法
・面接日時
・心理カウンセリングの料金
・心理カウンセリングを行うに当たって必要と思われる、心理カウンセラー自身の情報
・守秘義務
ただ、ふと疑問を感じたのは、これらの他に「心理カウンセリングの回数」や「結果の見通し」という項目が載せられていたことでした。
「心理カウンセリングの回数」や「結果の見通し」とは、つまり「あと何回カウンセリングすれば、この程度の効果が期待できる」ことを示すものですが…場面設定といえば、まだクライエントさんから詳しくご相談内容を伺っていない段階のはずです。
その段階でなぜ見通しが立つのか、私には見当がつきません…

話題の医学「インフォームド・コンセント」-自己分析のきっかけとなったテレビ番組:

そんな心理カウンセリングにおけるインフォームド・コンセントへの疑問を感じていたある日、「話題の医学」というテレビ番組でちょうどインフォームド・コンセントを特集していました。
もっともこちらのインフォームド・コンセントは、心理カウンセリングではなく医療現場(病院)におけるインフォームド・コンセントの話です。
番組の説明により医療現場におけるインフォームド・コンセントとは、問診などによる診察や検査により、すでに診断が下されて(病名や病気の原因・治療方法などが明らかになって)おり、その上で患者さんに自らの意思で治療方法などを選択していただく機会を設けるために行われるものだと理解できました。
そうだと致しますと先の心理カウンセリングにおけるインフォームド・コンセントとは、(本では明示されていませんでしたが)診断面接あるいは予備面接と呼ばれる、クライエントさんの症状や性格構造を把握(心理アセスメントが)できた段階で行われる説明のことを指しているのかもしれません。
ただ、そうなりますと今度は別の疑問が生じてきます…

クライエント中心療法で心理アセスメント?

たとえば精神分析などのように心理カウンセラーの解釈を前提とした心理療法では、正式なカウンセリング契約を結ぶ前に、心理カウンセラー自身の理解を目的とした心理アセスメントが行われ、質問を通して症状の他にクライエントさんの病歴や生育暦などの情報が事細かに収集されます。
しかしクライエントさんの自己治癒力を最大限に尊重し、そのため心理カウンセラーの解釈を厳しく戒めるクライエント中心療法で心理アセスメントが行われるとは到底思えません。
このように考えますと、心理カウンセリングの導入場面(場面設定)で行われるとされるインフォームド・コンセントの意味(意義)がますます分からなくなってきました…

心理カウンセリングの場面設定での説明事項を明文化-場面設定は時間の無駄:

このアサーションの本に書かれている「心理カウンセリングのインフォームド・コンセント」の概念は正直疑問符だらけでした。
ただ以前は面倒と感じられたこれらの説明(ただし「見通し」を除いた部分)自体はクライエントさんにとって役に立つことが実感できましたので、結果として通常心理カウンセリングの場面設定で行われる説明をあらかじめ明文化する契機となりました。
なぜならクライエントさんからご相談内容を聞く前に行われる場面設定での説明事項は、画一的なものであり、そのような決まりきった内容の説明に貴重な心理カウンセリングの時間を割くことは、むしろクライエントさんの不利益になると考えられるためです。
心理カウンセリングの技法ガイド本


場面設定の説明事項をあらかじめ明文化することで、たとえばクライエントさんへのお願いごとなどをあらかじめ伝えることも可能となります。
私の場合、場面設定での説明事項に加えて「沈黙の際のお願い」を明記しました。
関連ブログ:心理カウンセリングの内容について

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