不意に生じた被害妄想的な空想と怒りを自己分析してみると、被害妄想的な空想と怒りの原因は不快感の抑圧であることが分かりました。
不快感の抑圧による被害妄想的な空想 目次:
被害妄想的な空想
不快感が抑圧されていたことに気づく
被害妄想的な空想への怒り
不快感や怒りの抑圧の是非
被害妄想的な空想:
スターバックスでお茶していたときのことです。店内が混んで来て店員さんから「申し訳ございませんが椅子をお借りできませんか?」と言われ二つ返事でOKしました。そうするのが当然のように思えたためです。
しかし荷物を脇に置いて座っているうちに不自然な姿勢のためか段々と肩が凝ってきました。しかしそれも仕方がないと思い我慢して座っていると肉体的にだけでなく精神的にも辛くなってきました。
そのとき突然先の店員さんに対する、ある空想が生じてきました。それは次のような被害妄想的な空想でした。
席が空いてきたので自分で空いている椅子を見つけて持ってきて荷物を置く。すると例の店員さんがすかさず飛んで来て「お客様、勝手に椅子を移動されては困ります」と言われる。
そこで椅子を元の位置へ戻し、空いている席へ移動すると今度は「お客様、勝手に席を移動されては困ります」と言われ堪忍袋の緒が切れて「あの私に何か個人的な恨みでもあるんですか?」と文句を言う。
それでも埒が明かないので店長さんに「すみません、この店員さんが訳の分からないことをいうんですけど」とクレームをつける…
もちろん現実にはスターバックスでこのようなことが起こるはずはありません。これらの空想はすべて架空の話です。
不快感が抑圧されていたことに気づく:
しかしこのような被害妄想的な空想が生じたことで店員さんから声をかけられたときに実は不快感を感じていたことに気づかされました。
つまり本当は不快感を感じたのに、その不快感が瞬時に抑圧され意識されず、その後その抑圧されていた不快感が蘇ってきて上述のような被害妄想的な空想を生んだものと思われます。
被害妄想的な空想への怒り:
もう一つ気づかされた感情があります。それは怒りです。空想の中の文句を言う店員さんに対して猛烈な怒りが生じてきたのです。
ですから抑圧されたのは不快感だけでなく怒りも抑圧されていたのかもしれません。
だとすると私は面と向かっては怒りを自覚することが出来なくても、被害妄想的な空想の中では怒りを自覚することが出来る人間のようです。
不快感や怒りの抑圧の是非:
通常、精神分析をはじめとした心理学では不快感や怒りなどの感情が抑圧されることはあまり好ましいことではないとされているようです。
またアサーション(自己主張訓練)の理論でも、たとえネガティブな感情でもそれを自覚し害のない形で自己表現することが好ましい(アサーションの用語で言えばアサーティブな)態度とされています。
これらの心理学やアサーション(特にアサーション)の理論に従えば、私は店員さんから声をかけられたときに不快感や怒りを自覚し毅然とした態度で店員さんの申し出を断ることが健全な自己表現のあり方と言え、そのように自己表現した方がその後の被害妄想的な空想も生じなかったのかもしれません。
ただ、そのような態度をとれば席のないお客さんはがっかりして帰ることになるでしょうから、今度はそのことへの罪悪感が生じてきそうです。
そしてその罪悪感から不快感や怒りを自覚しながらそれを表現することがためらわれるという葛藤に苦しむことになりそうです。
すると不快感や怒りの抑圧は罪悪感や葛藤を感じなくて済むという点で役立ったと考えることもできます。
しかし罪悪感や葛藤を感じなくて済む代わりに、被害妄想的な空想やその空想上の店員さんへの怒りの感情に苦しむという代償を払うことになりますが…
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