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夢の内容:

母親の突然の死の報せ。しかし葬式の日付を勘違いしていたらしく、そのことに葬式当日に気づく。
もう間に合わない…それでもとにかく実家に帰る。
弟はもう帰っていた。祖母が家の相続の話を持ち出す。祖母としては長男なのだからできれば私に相続して欲しいようだ。話をしているうちに祖母が怒り出し喧嘩になる。

自由連想法による夢分析・自己治療(重要な連想のみ):

(再び母親のぎっくり腰のときのことを思い出す)
お金の心配の前にも、母親(祖母?)に叱られたことを思い出す
救急車が到着して救命士の方が担架で母親を運び出す
突然のことで呆然としていると「何ボーっとしてるの!あんたも手伝いなさい!」と叱られた
慌てて担架を担ごうとするが階段が狭くて、かえって足手まといに
役立たずで情けないと思った…
そうか、それで何とか役に立とうと、その場で頭に浮かんだことを焦って口にしてしまったのか
役立たずと思われたことに狼狽し、パニックになりかけていた
そして必死に汚名挽回しようとして、かえって墓穴を掘ってしまった
自尊心がズタズタに切り裂かれてしまった
ただの役立たず、生きていても仕方のない人間の烙印
いや違う…役に立とうと、率先して担架を担ごうとした
しかし階段が狭くて、かえって邪魔に
そこで母親か祖母に「あんた邪魔なだけだから退けなさい」と言われた
自分は居ても邪魔なだけ、役立たずな存在…そういう体験だったんだ

自由連想法による夢分析・自己治療からの洞察:

役立たずと思われる苦痛

これまで何度か自由連想法の中で連想されてきた「母親のぎっくり腰」の記憶が再び蘇りました。
今回の自由連想法による自己分析では、これまで忘却ないしは抑圧されていた、お金の心配をしたことで冷たい人間だと罵られる直前の記憶が思い出されました。
役立たず…これは抑うつ状態のときによく襲われる感覚です。いえ自分が「役立たず」だと感じたときに最も抑うつ状態に陥りやすいといえるほど、私にとって自分が役立たずだと実感するのはとても苦痛なことです。

役立たずの苦痛から逃れるための嫉妬心

役立たずについて、もう一つ思い出すことがあります。それは父親の葬儀のときの記憶です。
その際、弟が毎日母親に代わって食事を作ったのですが、私は母親の役に立つ弟が羨ましくて仕方がなく強烈な嫉妬心を感じました。
当時は嫉妬心は弟に対する対抗心、つまりエディプス・コンプレックスの表れだと思っていたのですが、今回の夢分析により別の解釈が思い浮かびました。
おそらくそのとき感じた嫉妬心は自分が役立たずな存在と感じられる苦痛から生じたのであり、嫉妬心は役立たずの感覚を意識から締め出し苦痛から逃れるためのものだったように思えます。

同性への嫉妬心はエディプス・コンプレックスとは限らない

同性に対する嫉妬心や羨望の心理*は、精神分析を少しでも勉強したことのある方でしたら真っ先にエディプス・コンプレックスの働きを想定されると思います。
しかし今回の夢分析の洞察から判断する限り、同性への嫉妬心は自分が役立たずな存在と感じる心理的苦痛から逃れるために生じる場合もあるようです。
もしかしてエディプス・コンプレックスとは精神分析の世界で信じられているほど普遍性のある心理ではないのかもしれません。
*精神分析では、二者関係での妬みを羨望、三者関係での妬みを嫉妬として明確に区別します。

嫉妬・羨望よりも「役立たず」と思われる方が苦痛

また嫉妬心や羨望は一般的に自分が持っていないものを相手が持っていることに対して生じると考えられていますが、私の場合は上述のように、そのことから生じる「役立たず」「価値がない」と感じられる抑うつ的な気持ちの方がより苦痛で、より危機的な状況として体感されるようです。
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