自己愛的な欲求不満・葛藤-自己分析・治療 目次:
自己分析のきっかけとなった感情(欲求不満・葛藤)
・欲求と一般常識との葛藤と欲求不満
葛藤からの自己洞察:
・些細なことを我慢の強制・権利剥奪と感じる心理
・罪悪感の抑圧
・自己愛性パーソナリティに典型的な罪悪感の抑圧
自己分析のきっかけとなった感情(欲求不満・葛藤):
欲求と一般常識との葛藤と欲求不満
美容室へ行く前に新宿ベルクで食事をしようと思ったときのことです。
あいにくあまり時間がなく、食後のコーヒーを飲んでいる暇はないことに気づくと、急に欲求不満に駆られました。
何度も「少し遅れると電話してコーヒーを飲もう」との欲求に駆られましたが、携帯を機種した際に電話帳の移行が不完全だったらしく電話番号が分からなかったため、結局コーヒーを飲むのは諦めて約束の時間に美容室へ行きました。
葛藤からの自己洞察:
些細なことを我慢の強制・権利剥奪と感じる心理
この一連の出来事に対しては、大きく分けて二つの考え方ができそうです。
一つは「お客なんだから、その程度ことなら構わない」という容認。
もうひとつは「いくら客とはいえ、たかがコーヒーのために自分の都合で約束を破るなんて」という自己非難=罪悪感。
冷静に考えれば「たかがコーヒー」です。しかしこのときの私には、それが何かとても大きな我慢を強いられた、あるいは当然の権利が奪われたかのように感じられました。
だからこそ何度も時間を変更したい衝動に駆られたのです。
この感覚は以前に自己愛性パーソナリティ障害の尊大で傲慢な態度は、自由を奪われることを防ぐための抵抗-自己分析で洞察された、自由を奪われる感覚に近いように思えます。
罪悪感の抑圧
もう一点気づいたことは罪悪感の抑圧です。このときの私の心の中では罪悪感はほとんど自覚されておらず、単に葛藤により思考が麻痺したような状態でした。
電話番号が分からなく、わざわざネットで調べるのも面倒だと思い諦め、その時点で初めて「そうだ、こんな些細なことで時間を変更してもらうなんて迷惑だよな」と、やっと罪悪感が自覚されたのでした。
自己愛性パーソナリティに典型的な罪悪感の抑圧
この私の一連の思考および行動パターンは、自己愛性パーソナリティタイプの人の心理の典型例だと思われます。
精神分析のパーソナリティ理論の知見によれば、自己愛性パーソナリティタイプの人は恥の感覚には極めて敏感でも、罪悪感を自覚することは難しいとされています。
私の心理状態の例でも罪悪感はハッキリとは自覚されず、それは葛藤による思考麻痺と行動麻痺(身動きが取れない状態)として体験されていました。
罪悪感 心理学的分析本
自己愛性パーソナリティ障害・自己愛障害の治療・心理学的分析本
後日、自己愛的な欲求不満に対してさらに洞察がありました。
理不尽な要求への激しい苦痛と怒り・恨み-自己愛性パーソナリティ障害の自己分析・治療