同僚にスパイ疑惑?@夢日記の夢の夢分析です。
※いつもは自分の夢分析はセルフ夢分析の実例の方に掲載しますが今回の夢分析はちょっと恥ずかしい内容のため、こちらの自己分析のブログに掲載します^^;
夢分析:
同僚のスパイ疑惑
夢の中で同僚のことをスパイではないかと疑う部分から、以前に勤めていた会社でも同様のことあったことを思い出しました。
その方は本社の総務部の方で、私の勤めていた制作系の子会社の管理担当でした。
あるとき業績不振から制作スタッフ全員が解雇となり、その手続きのためにその方が頻繁に来社されるようになりました。
するとなぜか私は普段は好意を抱いていたはずのその方に対して疑いの目を向けるようになりました。具体的にはその方が本社のスパイのように思えたのです。
その根拠はその方が本社の人間という、ただそれだけの理由からです。
夢分析からの自己洞察:
他人の善意への気づき、そして感謝と罪悪感の芽生え
しかし今回の夢分析でその当時のことが詳しく思い出されるにつれ、その方がスパイだなんて、とんでもない誤解であることがハッキリと理解できました。
リストラ(整理解雇)の場合、会社は一ヶ月分の給料を支払う義務が法律で定められていますが、その時支払われたのは二週間分に過ぎませんでした。
そのため社員全員で行政機関に相談に行ったのですが、その際その方も同行されていました。
当時はそのことをさして気にも止めなかったですが、今思えばその方の行為は会社命令であるはずがありません。
ですからその方は何とかして私たちの力になろうと、本社の人間であるにもかかわらず尽力していただいたのだと思います。
そして当時の私はその方の善意を一切顧みることなく、ただ単に本社の人間という理由だけでスパイ呼ばわりしたのでした。
自己愛的な理想化→蔑みのプロセス
では当時の私はなぜ、さしたる根拠もなく人を疑うようなことをしたのでしょうか?
そこで改めて当時のその方に対する私の気持ちを思い出してみました。
当時の私はこの方に対して恋愛感情を抱いていました。それも当時の私は自己愛が非常に強い性格(恐らくパーソナリティ障害水準の自己愛障害だったと思われます)だったため、その方を過度に理想化し、自分の望みを全て喜んで受け入れてくれる、まるで聖母マリア様のような存在であるかのような幻想を抱いていました。
しかしそのような幻想的な願望は当然ながら受け入れてもらえなかったため、その方から裏切られたという思いから、今度はその方のことを蔑むような空想を盛んにするようになりました。
しかし恐らくその方のことが諦めきれなかったのでしょう、そのような空想をしたところで気分が晴れるどころか、ますます苦しくなるばかりでした。
そうした矢先に上述のリストラが起こり、そしてその方に対してスパイに違いないという猜疑心を向けたのでした。
自己愛障害の投影同一視による猜疑心
この私のさしたる根拠のない猜疑心は次のような精神分析の防衛規制の理論で解釈すると腑に落ちました。
本当はその方のことが好きでたまらなかった私は、その方のことを空想の中で痛めつけることに耐えられなくなったのでしょう。
そのため恐らく攻撃的な心の部分を外に(他人に)排出してしまっただと思います。
つまり攻撃的という自分にとって受け入れ難いネガティブな感情を、自分ではなく他人が感じていることにしてしまったのだと思います。
このような一見信じがたい心の働きは、精神分析では投影同一視あるいは単に投影と呼ばれています。
自己愛障害の理想自己が生み出す投影同一視による猜疑心と迫害妄想
自己愛障害の方の多くは、お話を伺っていますと自分が(神様のような)完璧な人間になることを人生の目標にされていらっしゃるようですが、しかし実際には人間は神様のような完璧な人間にはなれません。
そのため己愛障害の方は自分が完璧な人間であると感じるためには、自らのネガティブな感情を他人に投影する防衛規制(投影同一視)に頼らざるを得なくなります。
しかしたとえそのようなことが完璧にできたとしても、残念ながら己愛障害の方に心の平穏が訪れることは決してありません。
なぜなら他人に投影されたネガティブな感情は悪意や敵意として感じられるため、会う人会う人から敵意を感じ、その結果自分が不当に迫害されているかのような恐怖を味わうことになるためです。
(こちらはクライン派や対象関係論の「妄想-分裂ポジション」における迫害恐怖に相当するものと思われます)
実際、重症の自己愛障害の方の多くはパラノイア(妄想性パーソナリティ障害)ではないかと思えるほどの深刻な被害妄想(迫害妄想)に苦しんでおられます。
自己愛障害の治療目標:
このような猜疑心や被害妄想(迫害妄想)に苦しめられる自己愛障害の方の治療目標は過大な理想自己(完璧主義的な思考)の緩和、つまり自分の(多くの場合些細な)欠点を「人間らしさ」として受け入れられるようになることであるように思えます。
自分の些細な欠点を許せるようになれれば、それを他人に投影する必要はなくなりますので当然、被害妄想(迫害妄想)に苦しめられることも少なくなっていくはずです。
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