アリス・ミラー著『新版 才能ある子のドラマ』

才能ある子のドラマ/アリス・ミラー-抑うつ的な自己愛性人格障害の理解に

自己愛性人格障害の二つの面

自己愛性人格障害の定義」でも触れましたように、自己愛性人格(障害)の人々の中には表向き誇大的・尊大な態度が目につく方と、抑うつ的な傾向が目立つ方とがいらっしゃいます。

自己愛性人格障害の誇大的・尊大な一面については、これまで多くの心理療法家・研究者によって分析がなされ、多数の本が出版されてきましたが、自己愛性人格障害のもう一つの面の抑うつについて扱っている本は非常に少ないように感じます。

才能ある子のドラマ/アリス・ミラー

心理療法家のアリス・ミラーは、精神分析の立場から一貫して抑うつ的な自己愛性人格(障害)の研究をされてきた方です。日本でも多くの著書が翻訳されています。
そこでは(ご本人が抑うつ的な自己愛性人格であることが影響しているのかもしれませんが)抑うつ的な自己愛性人格(障害)の特徴や、そうなるに至った環境要因が「愛情を持って」綴られています。

なかでも『才能ある子のドラマ(旧題:子供時代の囚人)』は主にお母さん向けに書かれた本のため、精神分析の知識がなくても理解できる内容となっています。
自己愛性人格(障害)の抑うつ面の理解、また子育ての参考本としても、ぜひご一読をお勧めいたします。

※「才能ある子のドラマ」はインナーチャイルド思想の原点とも言われています。

アリス・ミラー著『新版 才能ある子のドラマ―真の自己を求めて』、新曜社、1996年
アリス・ミラー その他の翻訳本リスト

人格障害の定義についてもご一読ください。

アリス・ミラー著『新版 才能ある子のドラマ』
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