- 2015年10月20日
- 2021年11月26日
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私説:現代人の感じる疎外感の一因は「視覚」偏重の知覚様式にあるのでは
現代人の物理的には孤立していないにもかかわらず感じられる孤独感や疎外感の一因は、もっぱら視覚のみを働かせて、聴覚・身体感覚など他の知覚が蚊帳の外に置かれてしまっている非常に偏った知覚様式にあるではないかと考えられます。
現代人の物理的には孤立していないにもかかわらず感じられる孤独感や疎外感の一因は、もっぱら視覚のみを働かせて、聴覚・身体感覚など他の知覚が蚊帳の外に置かれてしまっている非常に偏った知覚様式にあるではないかと考えられます。
精神分析の世界で比較的最近になって広まった「この世に普遍的な理論など存在せず、それは考案者の主観的な心の世界の反映に過ぎない」とする相対主義的な思考が、すでに2500年も前にギリシアに存在していたと知り驚きました。
NHKBSプレミアム「ザ・プロファイラー~夢と野望の人生~」で紹介されたスターリンの人生からは、冷酷非情な独裁者のイメージとは裏腹に、むしろ非常に低い自尊心と他者を崇拝する隷属性が強く感じられました。
母親の望みどおりの人生を歩む子どもには、それを心地良く感じる場合と、不快ながらも渋々従う場合の二パターンがあり、その状態から抜け出せる可能性があるのは後者のパターンの方で、前者のパターンの方に変化の動機が生まれるためには恥などの不快な体験が必要となります。
人間は主観的にしかモノを見ることができないため、客観的事実を知る由がない。しかしそれでも嘘でも良いから「これが現実」と信じることで共通認識が生じ、多くの人とコミュニケーションを円滑に取ることが可能となると考えられます。
主体性が乏しいと自分の人生を親など他人に決めてもらう必要が出てくるため充実感を感じることが難しくなり、生きていてもつまらなくなりがちです。このように主体性の有無は、人生の自己評価に非常に大きな影響をもたらします。
9月28日(月)の24時からNHKBS1で再放送される「スティーブ・ジョブズ vs. ビル・ゲイツ」と題するドキュメンタリー番組、圧倒的なカリスマ性を有するジョブズの、典型的な誇大型の自己愛性パーソナリティとも言える隠れた側面が垣間見える非常に興味深い番組です。
束縛は、相手を思い通りにコントロールしたい支配欲求によってもたらされる場合もあれば、例えば浮気の可能性などへの不安が高じて、その対処として結果的に束縛的な行為になる場合も有り得ます。
自分が考え付いたと思っていた臨床心理学的な仮説を本で目にした経験から、今ではその臨床理論が自分のオリジナルであるか否かへのこだわりはほとんどなくなり、むしろ多くの人の考えとの間に共通点がある事の方に、それだけその仮説に妥当性がある証だと考え価値を見出すようになりました。
Lambertによる「精神療法の実証的効果」の調査結果(1992)によればカウンセリングの面接時における最も効果的な要因は「セラピスト-クライエント関係」ですが、今も多くの心理療法によって研究が続けられているように、その実践は簡単なものではありません。