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人格テストの結果は傾向@人格障害

人格は作られたモデル:

○○人格などと分類された人格は、心理学的な考察のために人間の心を「単純化して作られたモデル」の一つに過ぎません。
実際の人間の心は遥かに複雑で、どれか一つの人格の特徴を他の人格のそれよりも多く持っていることはあっても、一つの人格モデルの特徴だけを兼ね備えているようなことはまずありません。このことは『YG性格検査』などの人格テストにおいて、ある人格特性だけが満点で他の特性はゼロとはならないことからも明らかです。

人格テストの利用には注意が必要:

したがって、例えば人格テストなどでAさんを自己愛性人格と判断できたとしても、これはAさんに自己愛性人格の特徴が、他の人格の特徴よりも多く見出せる(自己愛性人格の傾向が強い)ことを示しているに過ぎません。
しかし実際に人格テストの結果を知ると、私たちはAさんがあたかも自己愛性人格に描かれたモデルそのものであるかのように思い込む誘惑に駆られ、(それが自己愛性人格の特徴だからという理由で)「Aさんは○○だよね」と決めつけた言い方をしがちです。
それが的を得ていることもあるのですが、仮に当たっていたとしても、もしそれがAさんにとって「好ましくない」性格特徴なら他人に指摘されたことで、とても嫌な気分になるかもしれません。
(極端に依存傾向が強い方でもない限り)誰しも、自分の性格について「他人からとやかく言われたくない」ものです。
ですから人格テストは、よくよく注意して利用しなければ他者理解どころか、かえってコミュニケーションを阻害しかねません。
人格障害の定義についてもご一読ください。

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