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「残業代ゼロ」よりも、むしろ欧米並みの高い割増賃金を

企業の側に残業削減への強いモティベーションを生み出す高い割増賃金

日刊ゲンダイに「欧米と逆行 公務員は適用外「残業代ゼロ」のマヤカシ」と題する記事が載っていました。

2ページ目にあります、日本も残業の割増賃金を欧米並みにすれば良いという意見は一理あると思います。
荻原氏の指摘のように、企業の側にも残業削減への強いモティベーションが生まれるためです。
残業代ゼロでは、それは期待できそうにありません。

会社が自尊心の支えになっているという日本の事情

しかし一方で高い割増賃金は、労働者の側に残業へのモティベーションを生み出してしまう可能性もあります。
25%の割増賃金の現状でも、収入増のために当てにしている人が昔から存在しているためです。

これはあくまで私見ですが、恐らく欧米ではプライベート重視の人が多いため、高い割増賃金でも長時間労働に結びつかないのに対して、日本では特にこれは男性の方に言えることですが、退職後に生きがいを失ってしまう人が数多くいることに象徴されますように、会社が居場所であり、そこで働くことが自尊心の支えになっている方が多いため、長時間労働が肉体的には負担となっても精神的には必ずしもそうとは言えないからではないかと思われます。

徐々に会社に依存しない人が増加しているので高い割増賃金は有益

しかしこの点も最近は、いわゆるブラック企業という言葉に象徴されますように長時間労働に不満を感じる人が増えて来ている、裏を返せば会社に依存する人が減って来ているようですので、この変化を考えますと企業の側にも残業削減への強いモティベーションを生み出す高い割増賃金の方が功を奏するように思えます。

高い割増賃金はワークシェアリングの促進にも寄与する

また仮に企業努力にも関わらず残業なしでは業務に支障をきたしてしまうことになったとしても、残業はコストが非常に高くつくため新たに人を雇った方が得策となることが多くなるため、高い割増賃金はワークシェアリングの促進にも寄与すると考えられます。

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